ときの忘れものは、来年3月末に香港で開催されるアートバーゼル香港2019に「瑛九展」で初出展することになりました。
香港に作品を持って行く前に、ギャラリーでは出品作品を公開いたします。
瑛九がさまざまな技法で試みた「光の絵画」への志向が最後に行き着いたのが点描で画面全体を埋め尽くす独自の抽象絵画でした。本展では輝くばかりの100号の油彩大作《海の原型》(1958年)など代表作ほか、カメラを使わず印画紙に直接光を当ててデッサンする「フォトデッサン(フォトグラム)」など1930年代最初期から最晩年までの作品を17点ご覧いただきます。
■瑛九 Q Ei (1911-1960)
1911年宮崎生まれ。本名・杉田秀夫。15歳で『アトリヱ』『みづゑ』など美術雑誌に評論を執筆。36年フォトデッサン作品集『眠りの理由』を刊行。カメラを使わず印画紙に直接光を当てるフォトグラム技法による独創的な表現を展開する。37年自由美術家協会創立に参加。既成の画壇や公募団体を批判し、51年デモクラート美術家協会を創立。フォトデッサンやコラージュなどさまざまな技法を駆使して独自の表現を探求し、前衛画家として注目を集めた。瑛九はフォトデッサンについては生涯かわることなく多数の作品を制作し続け、油彩については、はじめは抽象表現を、そして「印象派からやり直す」として具象作品をつくり、戦後は再び抽象表現に取り組み、短い生涯にダイナミックな変遷を重ねた。そして最後に点描表現に行き着き、1960年48歳の命を燃えつくした。靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、細江英公ら若い作家たちに大きな影響を与えた。
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