2003年1月〜の展覧会

弊廊「ときの忘れもの」の2003年1月〜の企画展・常設展のご案内を申し上げます。 

第101回企画展
[ 恩地孝四郎展 ]
会場………ときの忘れもの 港区南青山5-4-6 パレ・ロワイヤル南青山506号室 
                  Tel:03-3470-2631 
会期………2003年1月10日(金)〜1月25日(土) 11:00〜19:00 日曜・月曜・ 祝日は休廊

概要………その繊細でシャープな抽象作品の数々が、創作版画のみならず日本における抽象表現の先駆として高く評価されている恩地孝四郎。没後50年近くたち、その作品の瑞々しさ、鮮烈さはますます際立っています。1994年に横浜美術館で開催された恩地の本格的な回顧展では、初期から晩期にいたる版画作品をはじめ、本の装幀、オブジェ、写真作品などが網羅され、この画家の才能がいかに時代に先駆けていたかを改めて再認識させるものでした。技法的にも斬新で創造的であり、写真利用版画などもてがけました。また、1939年から毎月第一木曜に自宅で「一木会」という研究会を開き、山口源、加藤太郎、関野準一郎ら後進版画家の指導にあたり、現代版画を開花させる橋渡しの役割も担いました。2003年最初のときの忘れものの企画展は、恩地孝四郎をとりあげ、木版と初期デッサンを出品します。
1)失題   1915年 素描(ペン) 18.1×13.0cm
2)失題(踊り―リヒャルト・シュトラウスによるサロメ)
1917年 素描(水彩、鉛筆) 16.0×12.0cm
*1994年 横浜美術館「恩地孝四郎展」に出品
3)作品名不詳   1917年頃か? 
木版 23.7×20.7cm
*形象社レゾネ未収録作品。レゾネNo.74「静物」(1917年)に似ており、この前後の制作か。
4)抒情 私は信ずる 1932年 木版 
19.8×12.2cm  限定500部
*形象社レゾネNo.150、版画雑誌『版芸術』1932年4月創刊号に挿入
5)新膚  1932年 木版 22.1×14.5cm
*形象社レゾネNo.152、版画雑誌『版芸術』1932年8月号に挿入(刷り・平川清蔵)
6)毛虫(昭和17年5月カレンダー) 1942年 
木版 21.7×11.7cm
*形象社レゾネ未収録作品、日本版画協会のカレンダーとして制作された
7)Poeme No.7 五月の風景  1948年 木版 35.5×45.0cm
*形象社レゾネNo.296、没後の後刷り(刷り・平井孝一)
8)Poeme No.8 蝶の季節  1948年 木版 37.0×30.0cm
*形象社レゾネNo.297、没後の後刷り(刷り・恩地邦郎)
9)Poeme No.15 過去  1950年 
木版 42.7×32.5cm
*形象社レゾネNo.340、没後の後刷り(刷り・平井孝一)

10)Poeme No.22 葉っぱと雲  1953年 
木版 44.0×33.5cm
*形象社レゾネNo.400、没後の後刷り(刷り・平井孝一)

■恩地孝四郎(おんち こうしろう)………1891年東京生まれ。中学卒業後、白馬会葵橋研究所に通い、竹久夢二に感化される。東京美術学校で洋画、彫刻を学ぶが、中退。学友・藤森静雄、田中恭吉と「月映」を刊行。萩原朔太郎、室生犀星らの同人誌「感情」に参加し、詩や版画を発表する。萩原朔太郎の詩集『月に吠える』の装幀と版画の挿画を担当し、以来、装本の仕事にも携わり、1928年『北原白秋全集』の装幀により装本家の地位を確立。1918年日本創作版画協会、1931年日本版画協会、1943年日本版画奉公会の創立に参加し、戦後の日本版画協会再建にあたっても中心的な役割を果たす。1934年版画詩集『飛行官能』『海の童話』刊行。1935年童話歌劇集『夢』刊行。1942年自作写真による『博物誌』刊行。1943年連作版画詩集『虫・魚・介』刊行。1949年博報堂装幀相談所副所長(のちに所長)、日本美術家連盟で唯一の版画家委員として活躍。1951年第1回サンパウロ・ビエンナーレに参加。1952年『本の美術』刊行。1953年『日本の現代版画』刊行。1955年、63歳で逝去。


第102回企画展
[ 舟越直木展 ]
会場………ときの忘れもの 港区南青山5-4-6 パレ・ロワイヤル南青山506号室 
                   Tel:03-3470-2631
会期………2003年2月7日(金)〜2月22日(土) 11:00〜19:00 日曜・月曜・ 祝日は休廊

概要………芸術家の一家のなかで育ち、作品を制作することと、生活することあるいは生きていくことが自然と同じ意味をもつのだろうと、その振舞いに見受けられる舟越直木。初期の平面作品から1980年代からは彫刻へと展開し、大きな野外彫刻やブロンズによる立体作品、その過程に描いたドローイングや水彩などの平面作品を発表し続けています。 2000年「舟越直木+阿部陽子展」の図録に、その制作への姿勢をが垣間見える文章を寄せています。   
「僕は表現という言葉がよくなじめない。なぜそうなのかと考えてみると、それはトリックみたいな感じを僕に感じさせるからだ。僕は作品をつくる時いつも何かを表現しているという感じはもったことがない。ある作品が何かを表現していると言われることがよくある。たとえばキリストが十字架にかけられている絵などで背景の空の暗い青さがキリストの受難の悲しみを……などと言うように。だが僕はなにかいつも、そういう言葉に成程とは思いつつも、何か納得しきれないものを感じた。どんな時代のどんな作品も主題というものは作品にとって口実に過ぎない。 ただそこには、ある意志――ある方向性をもった力――が存在するだけだ。 だが、その意志そのものをとり出して見せることはできないだろう。なぜなら意志とは見えないある力のことだからだ。 ジョットによせて舟越直木」
今回は、ときの忘れものが集めてきた舟越直木の作品7点を出品します。

■舟越直木(ふなこし なおき)………1953年東京都生まれ。
1978年東京造形大学絵画科卒業。


個展、展覧会

1983年 舟越直木個展 みゆき画廊、銀座
      6 INTENTION ギャラリーQ、銀座
1984年 舟越直木展 ギャラリーQ、銀座
1985年 舟越直木展 ギャラリーQ、銀座
1986年 Contemporary Art from Tokyo’86 ユーン画廊、ソウル
1987年 ぷろみしんぐ・なびす8703 なびす画廊、銀座
      NEW TRENDS 世田谷の新世代 世田谷美術館
1989年 デッサン―彫刻家における なびす画廊、銀座
      舟越直木展 なびす画廊、銀座
      第25回今日の作家展「かめ座のしるし」 横浜市民ギャラリー
1990年 開館15周年記念 現代彫刻の歩み」 1970年代以降の表現―物質と空間の変容
          神奈川県立県民ホール
      第9回平行芸術展 既視感の食卓 小原流会館、青山
1991年 世田谷美術展’91 世田谷美術館
      世田谷美術展’92 世田谷美術館
1992年 舟越直木展 なびす画廊、銀座
      ドキュメント’92 舟越直木 ギャラリー永井祥子、新木場
      TEMP VICTVIM 生きられた80年代 エスパス小原、青山
      世田谷美術展’93 世田谷美術館
1993年 舟越直木展 なびす画廊、銀座
      〈かたまり彫刻〉とは何か 小原流会館、青山
      世田谷美術展’94 世田谷美術館
1994年 金曜日のまれびとたち なびす画廊、銀座
      世田谷美術展’95 世田谷美術館
1995年 舟越直木展 なびす画廊、銀座
      世田谷美術展’96 世田谷美術館
1996年 匍匐は跳躍 なびす画廊、銀座
      体感する美術’96アーチストと考えるサバイバル・ツール 佐倉市立美術館、千葉
      舟越直木展 MORIOKA第一画廊、盛岡
      舟越直木Part。未発表作品展 Galerie de cafe 伝、経堂
      舟越直木Part「新作展 Galerie de cafe 伝、経堂
      開館10周年記念 世田谷美術展’97 世田谷美術館
1997年 Each Artists, Each Moment 1997 ギャラリーGAN、銀座
      青銅の可能性 田中画廊、日本橋
      舟越直木展 なびす画廊、銀座
      二人展 舟越直木+杉本みゆき展 MORIOKA第一画廊、盛岡
      世田谷区制65周年記念 世田谷美術展’98 世田谷美術館
1998年 インサイド/アウトサイド日本現代彫刻の8人 新潟県立近代美術館、長岡
1999年 舟越直木展 なびす画廊、銀座
      舟越直木展 MORIOKA第一画廊、盛岡
2000年 シリーズァ 岩手の現代作家「舟越直木・阿部陽子」展 萬鉄五郎記念美術館、岩手
      O Jun+舟越直木展 ときの忘れもの 、青山
2001〜02年 舟越直木展 なびす画廊、銀座
2003年 舟越直木展 appel、経堂


舟越直木
 「これらドローイングは、私にとって描いたのを忘れてしまったものもあるが、再会したとたんに真っ白なスケッチブックとそのドローイングを描いたときのことが、あざやかに思い出せてくる。
 不思議だが、何かドローイングにはそんな力があるようなのである。
 スケッチブックをめくっていても、前の作品で、ほとんど新作のように思えることもある。
 だか、たしかに、ぼくが描いたのだ。」

 1995. June 16
1995年 ドローイング
38×47cm(紙サイズ)
1996. 11月9日
1996年 ドローイング
41×32cm(紙サイズ)
1996. 12月19日 
1996年 ドローイング
40×32cm(紙サイズ)
1997. APRIL 7
1997年 ドローイング
82×66cm(マットサイズ)
なまけもの
1999年 ドローイング
74×59cm(マットサイズ)
作品
1996年 油彩
53×45cm(10号)


作品の在庫、価格については、メールもしくはTELにて、お気軽にお問い合わせ下さい。

第103回企画展
[ 小川信治展 ]OGAWA SHINJI

会場………ときの忘れもの 港区南青山5-4-6 パレ・ロワイヤル南青山506号室 
Tel:03-3470-2631 
会期………2003年2月28日(金)〜3月15日(土) 11:00〜19:00 日曜・月曜・ 祝日は休廊
小川信治
世界やそこに生きる私という存在は実に不思議です。いったい世界とは何なんだろう。
しかし世界の中に存在する私にとって世界を客観的に眺めることなどできることではありません。日常のちっぽけな事柄の意味すらわからない始末です。正確に世界を表現しようと思えば、極端な話、世界と同じ大きさのものが必要になるかもしれませんが、アートで表現することでたった一つの作品で世界が表現できるかもしれません。私は作品を、この世界の隣にもう一つの僕の考える世界をそっと置いてみたり、世界を日常の視点で見るだけでなく、角度を変えて見たりすることで、慣れ親しんだはずの世界の表情を一変させる、という考え方で制作します。狭いアトリエにある世界中の国の絵葉書や様々な書物、画集、蚤の市で買ってきた多くの人の写真やアルバムなどを眺めながら、思い浮かんだことが作品のアイデアになります。例えば、写真や絵の上の落書きや書き込み、異常な押されかたの消印、今は存在しない国の切手、絵葉書同士の意外な関係、興味深い文面などがそこにあります。それらは情報の上に堆積した別の情報と言えるでしょう。
永い時と空間を経て僕の手許にあるこれらの情報の堆積物は、さらに永い時と空間を経て誰かの手許に渡って行くのでしょう。そう思うと僕も情報の堆積に参加したくなります。「Without you」や「Perfect world」というシリーズはそういった発想で生まれました。
アイデアによって鉛筆で紙に細密に描いたり、キャンバスに油彩で描いたり、コンピュータで素材をつくって、スタッフと一緒に映像作品にしたりします。一見何でもないものでありながら、よく考えてみると謎に満ちている断片としての作品。そんな作品をたくさん作り、「隣の世界」の存在を暗示できる世界体系を作ることが自分の役割だと思っています。


出品作品・・・・・・・・・リストの計14点(クリックで拡大画像が見られます)

PERFECT KLEIN
1997年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
15.2×10.8cm(紙サイズ)


PERFECT MANCHESTER CATHEDRAL
1998年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
8.8×13.8cm(紙サイズ)

PERFECT DOCK
1998年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
15.0×10.5cm(紙サイズ)

PERFECT FREEZE
2002年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
8.7×13.8cm(紙サイズ)

PERFECT FREDERICK
2002年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
10.5×14.9cm(紙サイズ)

PERFECT DOG
2003年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
9.0×14.1cm(紙サイズ)

PERFECT ROMAN SISTERS
2003年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
9.1×14.2cm(紙サイズ)

PERFECT WALKINGMAN
2003年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
8.9×13.8cm(紙サイズ)

PERFECT OPERA
2003年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
10.5×14.7cm(紙サイズ)

PERFECT BISKRA
2003年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
14.3×9.2cm(紙サイズ)

PERFECT HAMBURG
2003年 
ポストカードにインク、アクリル絵具
14.8×10.5cm(紙サイズ)

WITHOUT YOU 荒野の決闘
1996年 キャンバスに油彩 
35.0×45.0cm

WITHOUT YOU 
オリエント急行殺人事件
1996年 キャンバスに油彩 
35.0×45.0cm



WITHOUT YOU マックス・エルンスト
1998年 紙に鉛筆、オイル
27.0×24.2cm

略歴/ 小川信治
1959年 山口県に生まれる。
1983年 三重大学教育学部美術科卒業。
  最近の個展
2000年  レントゲンクンストラウム(東京)
ときの忘れもの(東京)
現代美術館・名古屋
ヴィデオ・ルーム(名古屋)
2001年 話を作って、目を疑う 岡崎和郎初期作品とのコラボレーション コオジ・オグラギャラリー(名古屋)
ギャラリーキャプション(岐阜)
双眸 コオジ・オグラギャラリー(名古屋)
ギャラリー16(京都) 
弁天ギャラリー(佐久島 愛知、三河・佐久島アートプラン21「佐久島2001 祭りとアートに出会う島」)
レントゲンクンストラウム(東京)
2002年 豊田市美術館(テーマ展示)
2003年 ときの忘れもの(東京) 
レントゲンヴェルケ(東京、予定)

最近のグループ展など
2000年

空き地 豊田市美術館
コレクション/セレクション ギャラリーキャプション(岐阜)
雀スタイル ギャラリーキャプション(岐阜)

2001年  掌(たなごころ) レントゲンクンストラウム(東京)
2002年 ファン・デ・ナゴヤ美術展2002 仲介者たち 名古屋市民ギャラリー矢田
ART in CASO 2002-Portal (大阪、ギャラリーほそかわより出品)
ignition レントゲンヴェルケ(東京)
七福2002 弁天ギャラリー(佐久島、愛知)
20世紀。美術は虚像を認知した―モナ・リザとモンマンとのあいだ― 平塚市美術館(神奈川)
2003年 ポジション 名古屋市美術館

ワークショップ
2001年 PERFECT SAKU ISLAND 弁天サロン(佐久島 愛知、企画オフィス・マッチングモウル 三河・佐久島アートプラン21「佐久島2001 祭りとアートに出会う島」)
パブリックコレクション   東海市
小川信治展カタログのご案内

出品作品14点の図版、小川信治の本展に寄せるコメント、都筑正敏(豊田市美術館学芸員)によるテキスト「世界を識るための架空絵画」が収録された小冊子を制作しました。
一部500円。

お申し込みは
E-mail:info@tokinowasuremono.com
お電話にて
<第8回国際コンテンポラリーアートフェスティバル>
に出店します!


会期/4月4日(金)-7日(月) 会期中無休
時間/10:00AM〜8:00PM(*最終日は〜5:00PMまで)
会場/東京国際フォーラム地下2階・展示ホール1(JR有楽町駅から徒歩1分)
ときの忘れものは、B-5ブースです。

国内最大規模のアートフェア−、内外の現代美術の画廊が一堂に集まる
「NICAF 第8回国際コンテンポラリーアートフェスティバル」にときの忘れものも初めて出店します。
磯崎新、安藤忠雄、小野隆生(テンペラ)、ジョナス・メカス(写真)の4作家・25点を出品します。
会期中スタッフはNICAF会場につめておりますので、お声をかけて下さい。
従って事務所はその間、留守になります。
皆様のご来場をお待ちしています。
安藤忠雄 「パリ・ピノー現代美術館」
 『TADAO ANDO SEVEN PROJECTS』
14点組より 2003年 
シルクスクリーン/和紙刷 
紙=65.0×90.0cm 限定25部
磯崎新 「水辺都市」
 『百二十の見えない都市』より
「水辺都市1」 2002年 エッチング1版1色 /雁皮刷 イメージ=14.5×26.0cm 紙=38.0×38.0cm 限定35部     
「水辺都市2」 2003年 ソフト・グランド・エッチング2版2色 イメージ=14.5×26.0cm 紙=38.0×38.0cm 限定35部
小野隆生 「肖像図2-2003」 
2003年 油性テンペラ/画布
 40.0×30.0cm 
ジョナス・メカス   685 John was captain, that day, when we went water skiing, Montauk, Aug. 1972
水上スキーにでかけたその日、ジョンが船長を務めた
モントーク、1972年8月 『this side of paradise』より
2000年 オリジナルプリント 30.0×20.0cm 限定10部
 

◆安藤忠雄建築展・・・上記NICAFと前後して4月5日(土)-5月25日(日)
東京駅赤煉瓦駅舎の東京ステーションギャラリーで開催されます。
NICAFとあわせてご覧下さい(ただし7日は休館日)。

か下記お電話にて



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