2003年10月〜の展覧会
弊廊「ときの忘れもの」の2003年10月〜の企画展・常設展のご案内を申し上げます。
10月の展示
[建築家の版画/磯崎新、安藤忠雄、ル・コルビュジエ、高松伸
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会期=2003年10月10日(金)〜10月18日(土)
11:00〜19:00 日曜・月曜・祝日は休廊
出品作家=磯崎新、安藤忠雄、ル・コルビュジエ、高松伸
出品作家=磯崎新、安藤忠雄、ル・コルビュジエ、高松伸
開催概要=古今東西の名建築家たちは、実際に建てられた建築のほかに、図面やドローイング、版画などによって、「もう一つの建築」をこの世に残そうとしてきました。
ときの忘れものでは長年、磯崎新、安藤忠雄らの版画作品をエディションしてきましたが、今回はそれらエディションの他に、ル・コルビュジエ、高松伸の作品もあわせて展示します。
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第107回企画展 [ 追悼 若林奮銅版画展 ]
会期=2003年10月24日(金)〜11月8日(土)
11:00〜19:00 日曜・月曜・祝日は休廊
概要………自然への深い思索と想像力によって、空間概念を根本的に問い直し、独自の存在感のある作品を生み、日本現代彫刻の一つの到達点を示す若林奮。
若林奮は、1960年代に鉄を素材として彫刻制作を始め、現在に至るまで、銅、石、木、鉛、硫黄、と様々な素材をてがけて、若林がみるこの世界のヴィジョンを私たちに示してきました。そして、彫刻と並行して多くの版画作品を制作してきました。それは600点をこえるという膨大なものです(1996年「煙と霧―若林奮展」図録所収レゾネより)。技法的にも謄写版、木版、銅版、リトグラフ、シルクスクリーンなど、あらゆる版画技法を網羅しています。彫刻として制作した焼きなまし銅板を刷るという独特の技法も展開しています。1970年代の後半以降に、〈振動尺〉というシリーズを発表しています。振動尺という言葉は、若林の造語で、「自分」と「対象物」を隔てる曖昧な空間を自覚し、その距離を測る「物差し」の意です。空間とそこにある物、そして視ている人間との関係を凝視し、彫刻と版画というそれぞれの表現で、その空間の有り様を提示してきました。
「見えないものを見えるようにするのが芸術の役割であるとよくいわれる。しかし、ものの奥に潜む生命は、どんなに優れた芸術作品の中にも決して直接には見えないだろう。芸術家は常にその生命を損なうことなく作品として表そうとするが、解剖のようにして心臓や脳の形を示したところで、それは生命とは結びつかない。生命を包み込んだ全体を壊さないようにそっと示すとき、その姿はほとんど不明だが、確かにそこに命があるという感じが伝わる。それが芸術の秘密だろう。若林の版画はそのようにして、現実の風景と自然の中で世界を動かしているものの姿を最も薄い皮膜ごしに示している。そして、それは煙と霧のように常に変化してやまない運動体なのである。」小泉晋弥「煙と霧
若林奮の版画と彫刻」『煙と霧―若林奮展』図録所収
本企画展では、版画作品「鮭の振動尺・―B」、「52記」シリーズ(52作品+拾遺9作品=全61作品)を出品いたします。時間と空間という、その「間」に、創造のエネルギーを注ぎ込み続けている若林奮の作品をぜひ御覧ください。
■若林奮(わかばやし いさむ)………1936 東京都町田市生まれ。
1959 東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業。東京吉祥寺・みつぎ画廊で初個展。
1960 第45回二科展・二科45周年記念賞受賞(62年金賞受賞)。
1968 第1回インド・トリエンナーレ(国際芸術アカデミー/デリー)。
1973 個展「若林奮デッサン・彫刻展」(神奈川県立近代美術館)。文化庁芸術家在外研究員としてパリ滞在。
1980 第39回ヴェネツィア・ビエンナーレ(86年にも出品)。
1987 個展「今日の作家 若林奮展」(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館)。
1988 個展「若林奮:1986.10-1988.2」(北九州市立美術館)。
1990 個展「若林奮 版画・素描・彫刻展」(町田市立国際版画美術館)。
1995 個展「若林奮−素描という出来事」(東京国立近代美術館)。
1996 個展「煙と霧−若林奮展」(足利市立美術館、郡山市立美術館、山形美術館、−97年)。第27回中原悌二郎賞受賞。1997
個展「若林奮1989年以後」(名古屋市美術館、神奈川県立近代美術館、大原美術館/倉敷、高知県立美術館)。個展「ISAMU
WAKABAYASHI」(マンハイム市立美術館/ドイツ)
1998 個展「ISAMU WAKABAYASHI」(ルードヴィヒ・フォーラム・アーヘン/ドイツ)。
1999 多摩美術大学教授となる。
2002 初の回顧展「若林奮個展」(豊田市美術館)。
2003 芸術選奨文部科学大臣賞受賞。個展「若林奮 振動尺をめぐって」(川村記念美術館)。
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美術書大セール
11月28日(金)、29日(土)、30日(日)の三日間、 美術書の大セールを開催します。 会場/ときの忘れもの(地下鉄銀座線『外苑前』駅から徒歩5分)
日本有数のコレクターだった方の残された和洋の美術書を大セールします。
画集、単行本、カタログ、雑誌、その他もろもろ。3日間だけのセールですので、ぜひ万障お繰り合わせの上、お出かけ下さい。 発送は着払いにて承ります。ぜひ掘り出し物を見つけて下さい。 ご期待にそう内容と確信しています。
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第108回企画展 [ 第14回瑛九展 ]
会期=2003年12月12日(金)〜12月25日(木)
11:00〜19:00 日曜・月曜・祝日は休廊
概要………ときの忘れものの2003年の瑛九展第2弾は、初期から最晩年に至るまでの油彩15点を出品いたします。自由なる精神にこそ自由な表現が宿るという信念を生涯貫き、様々な技法や、表現形態を貪欲に模索し、出来上がったスタイルに安住することなく、短い生涯に、実に多くの作品を制作した瑛九。油彩は
600点余りが確認されています。澄んだ色と大胆かつ精緻な筆づかいにみえる深い精神性と芳醇な魂に満ちた油彩作品をどうぞご覧ください。
■瑛九(Q Ei えいきゅう 本名・杉田秀夫)………1911年宮崎生まれ。
15歳で『アトリヱ』『みづゑ』など美術雑誌に評論を執筆。
1936年フォトデッサン作品集『眠りの理由』を刊行。
1937年長谷川三郎らと自由美術家協会創立に参加。
1951年デモクラート美術家協会を結成、靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、細江英公ら若い作家に大きな影響を与えた。
1960年48歳で死去。 |
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