◆Tricolore2010―君島彩子・若宮綾子・渡辺貴子 会期=2010年7月20日[火]―7月31日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休 三上豊(和光大学教授)のキュレーションによる3人展を開催します。 君島彩子さん・若宮綾子さん・渡辺貴子さんは以下の日程で在廊される予定です。
●7月24日(土)17時よりギャラリートークを開催します 講師:三上豊(和光大学教授)×君島彩子×若宮綾子×渡辺貴子 ※要予約(参加費1,000円/1ドリンク付/参加ご希望の方は、電話またはメールにてお申し込み下さい) Tel.03-3470-2631/Mail.info@tokinowasuremono.com ●同日ギャラリートーク終了後の18時からは、作家を囲み懇親パーティーを開催します どなたでもご参加いただけますが、17時〜18時の間はギャラリートーク(予約制)のため予約者以外はご入場できませんので、18時以降にご来場下さいますよう、よろしくお願いいたします。 3人展―空間へのブリコラージュ 画廊内に展示されるものは作品である。この制度的に自明なことに、ときに疑問をもつことがある。画廊に展示された作品を購入し、自宅の壁に掛けてみると、サイズを含め「はて、こんな感じだったか」と思うことがある。作品はそのままだし、作品と設置面の関係でもないのだが、作品への親和力または距離が変わることがある。 今回、平面とオブジェとレリーフと大枠の領域をきめ、彩りが異なる3人の作家の展示を企画した。ねらいは会場の「特異な空間」への挑戦である。大きなガラス面、高い壁、通路のような壁面、画廊であっても、およそ普通(ホワイトキューブ)ではない空間は、斬新な住宅空間に近いものでもある。この空間に働きかける親和力(=作品)を検証してみたかった。墨による人物像を描いている君島彩子は、フレーム内の空間をもって求心的に働きかける。白い陶のオブジェを制作している渡辺貴子は、量感の足し算引き算をもって触覚的にせまる。石鹸やファイバーを色とりどりにくるむ若宮綾子は、画廊空間に対してドローイングのように躍動する。 作家からすれば普段のスケールとは違う仕事となるだろうが、作品を生成するなかでは手法の痕跡を残しつつ、作品を成立させるには手法から離れることを試みていくことになるだろう。生成への離陸と空間への着地の運動をブリコラージュとして捉え、見守ってみたい。
■君島彩子 Ayako KIMIJIMA 1980年東京に生まれる。1997年初個展「2人目の私」(Lieu-Place/東京)。1999年女子美術大学付属高等学校卒業。2003年個展「Bright」(みずほ銀行数寄屋橋支店ストリートギャラリー/東京)。2004年和光大学表現学部芸術学科卒業。2008年個展「A moment for two」(羽田空港ANAラウンジ/東京)、他。現在、大正大学大学院文学研究科在学。 10代の頃から様々な表現技法の作品を制作、発表してきましたが、近年は紙に墨で描いた作品を多く発表しています。日本画の専門教育を受ける機会がなかったため、墨は非日常的な素材でした。しかし博物館で多くの水墨画作品に触れる機会を持ち、墨に興味を持つようになりました。 特に琳派の作品に多く使われる「たらしこみ」は描いた絵が生乾きの状態で濃度の違う墨をたらす技法で、そこから生まれるにじみの偶然性が、時に曖昧に時にリアルに現れて制作者の意図だけでは操れない面白さがあります。 基本的にはモデルは使わず頭の中に残ったイメージの人物を「たらしこみ」の技法で描き、にじみ、ぼやけ、そして乾燥した時には最初に自分の描いた人物とは別の人物像が私の目の前に現れる事がしばしばおこります。そしてその人物像は鑑賞者の視点によりまた別の人物像と変化していくのではないでしょうか?
■若宮綾子 Ayako WAKAMIYA 1989年女子美術大学芸術学部洋画科油絵専攻卒業。 1993、'95、'96、'97、'99、'00、'01、'02、'04、'06、'07、'08、'09年個展(藍画廊/東京)、2004、'05、'09年個展(GALERIE SOL/東京)、1993、'95、'00、'03年個展(西瓜糖/東京)、他。 散らかった机の上を眺めるのは好きだ。 朝飲んだままのコーヒーカップ、さっきまで使っていた髪留め、来月のページが開かれたままのスケジュール帳、テレビの方に向いたまま置かれているリモコン…。 一見無秩序に置かれている物達。しかしそこにはここに生活する人の日常が刻まれている。毎日同じようにコーヒーを飲み、テレビを見ながら前髪を留め、明日の予定を確かめる。そんな取るに足らない淡々とした日々の営みがその景色から見えた時、私は生きているという実感を見つける事が出来る。 私は散らかって見えるこれらの物達を眺めるのが好きだ。
■渡辺貴子 Takako WATANABE 1970年生まれ。1989年渡英し、1990年頃より陶芸を始める。1995年 Bath College of Higher Education(現 Bath Spa University) 3D Design Ceramics Courseを卒業後、帰国。実家の織物会社で働きながら、1999年よりグループ展、個展で活動する。 庭の隅のスタジオまで数十歩。月や星を見上げ、水溜りを越え、畑の中を歩きながら自然の移り変わりを感じる。 毎日ほんの少ししか変化しない生活の中でも、見るもの、感じる空気を大切にしたいと思う。 月の落とす影、水に映る光、風にゆれる…この匂い―思い出す昔の記憶。隙間のかたち、水玉の残像。明日の空の色は?この雲の1分後の形は?この風景の裏側は?…想像の世界は尽きない。 ペンを片手に、いたずら書きをするように、ノートに書き留める。今日の私からしか生まれない、線や形を手で積み上げていく。ものがたりをつくるように、ゆっくりと。そこには私がまだ見たことのない世界が広がっていく。
<Tricolore2010―君島彩子・若宮綾子・渡辺貴子>出品リスト 2010.7.20[Tue] - 7.31[Sat]
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