◆葉栗剛展 会期=2014年5月14日[水]―5月31日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休 名古屋で活動をしている木彫作家・葉栗剛による彫刻展を開催します。 本展では、2体の大作〈男気〉シリーズを中心に、7点の木彫作品をご覧いただきます。 ときの忘れものでは初めての個展となりますので、是非ご覧ください。 私の知っている最も古い葉栗作品は90年代初め頃からのミュージシャンシリーズである。これは楽器を持った人物をモダンでポップ(通俗的)に造形したもので、陽気で明るい印象をもっている。次いで90年代の終わり頃から取り組んだのが、ヤンキーと呼ばれる不良青少年たちのシリーズで、木刀を手にした暴走族やタバコを銜えてウンコ座りする彼らは、ミュージシャンたちに比べるといささか屈託しているもののそれほど深刻な感じはない。それらは2000年代半ばを過ぎるとギャングやヤクザに昇格(?)し、眉根にしわを寄せた些か陰のあるアウトローのシリーズとなる。刺青が入るのはここからである(その代償というわけではあるまいが、2年ほど遅れて興福寺の天灯鬼など仏像系の作品も試みている)。2010年代に入ると刺青は、祭御輿の担ぎ手も纏うことになる。この刺青は葉栗の内弟子でアシスタントでもある長崎美希によるものである(長崎は自身独立した作家として、注目すべき活動を展開していることを付記しておく)。 アウトローもお祭りも現在なお続くシリーズであるが、昨年(2013年)からそれに並行して、曾我蕭白の『鉄拐仙人図』(ボストン美術館蔵)や歌川国芳『通俗水滸伝豪傑百八人之一人 花和尚魯知深初名魯達』など江戸絵画をモティーフとして、平面から立体をつくるという試みを始めている。洋の東西、その方法は異なるものの、絵画は現実空間をいかに平面に写すかということに腐心し、その技法を次々と編み出してきた。葉栗(の独創というわけではないが)はその逆を行おうというのである。これには描かれた人物の両側面や背面への繋がりをイメージする能力が求められる。 (森本悟郎 「葉栗剛の流儀」 『葉栗剛展』 ときの忘れもの発行 2014年)より抜粋
5月14日(水)、17日(土)、18日(日)、19日(月)、29日(木)、30日(金)、31日(土)は葉栗さんが在廊しておりますので、是非お出かけ下さい。 ■葉栗剛(1957-) 1957年名古屋市に生まれる。1982年に愛知県立芸術大学彫刻科を卒業し、1984年に愛知県立芸術大学大学院を修了。卒業後は木彫を主に制作しているが、野外作品はアルミニウム素材を使用する。主な個展は1996年・1998年 村松画廊(東京)、2006年 中京大学 C・スクエア(名古屋)、2009年千葉県アンデルセン公園こども美術館など多数。主なグループ展は1996年 神戸具象彫刻大賞展、2000年 フォクトランド国際彫刻シンポジウム(ドイツ)、2001年 富獄ビエンナーレ展(静岡県立美術館)、2013年 第16回岡本太郎現代 芸術賞」展 ほか。愛知県立日進西高等学校、ふれあい公園(静岡県春野町)、伊自良村総合運動公園(岐阜県)、愛知県立西春高等学校 愛西市立佐屋小学校(愛知県)、長久手町立北小学校(愛知県) に作品が設置されている。 <葉栗剛展>出品リスト 2014.05.14[Wed] - 05.31[Sat]
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