◆西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69 会期=2015年4月24日[金]―5月9日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休 昨年2月に開催した西村多美子写真展は1970年代初頭に訪れた北海道、東北をはじめ1983年までの北陸や関西、地元である東京も含まれている〈憧憬〉シリーズを展示し、たいへん好評でした。 第2回となる今回展も二会場での同時開催とし、ときの忘れものでは1968-69年にかけてアングラ劇団「状況劇場」に毎週のように通い、唐十郎や麿赤児、四谷シモンなどの舞台を撮影した〈実存〉シリーズを展示し、ZEN FOTO GALLERYでは〈猫が…〉をご覧いただきます。 ■ ときの忘れもの 「西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69」 会期:2015年4月24日[金]―5月9日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休 ●イベントのご案内 −5月8日[金]18時より、ときの忘れものにて西村多美子さんと金子隆一さん(日本の写真評論家、写真史家、写真集コレクター)によるギャラリートークを開催します。 ■要予約/参加費1,000円 ※必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申込ください。 E-mail. info@tokinowasuremono.com ●作家在廊日のお知らせ 西村多美子さんは下記の日程で在廊予定です。 変更となる場合もございますので予めご了承ください。 4月24日(金) 15:00〜16:30 4月26日(日) 13:00〜15:00 4月27日(月) 15:00〜17:00 ■ ZEN FOTO GALLERY 「猫が…」 会期:2015年4月24日[金]―5月16日[土] 12:00-19:00 ※会期中 日・月・4/29 休廊、5/5〜5/6通常営業 初日4月24日[金]18時〜20時にZEN FOTO GALLERYでオープニングを開催します。 東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル208号室 Tel.080-4652-7058 http:/www.zen-foto.jp/index.html ――新刊写真集『猫が…』(ZEN FOTO GALLERY・刊、2015)が発売されます。 ――写真集『実存―状況劇場1968-69』(グラフィカ編集室・刊、2011)発売中。 ◆実存 西村多美子 学生時代(’67ー’69年)にアングラ劇団「状況劇場」の写真を撮っていた。液温35度くらいの高温現像で真っ黒なネガを作り、1時間近くの露光時間でプリントをする、実験的というより、無茶苦茶な暗室作業をして、舞台写真を越えた映像表現を求めていた。卒業制作展以来、ネガはたな晒しになっていたが、一昨年(2009年)300枚近くをプリントしてみた。タイムスリップしたように、新宿ピットインでの夜中12時30分開演だった「続・ジョン・シルバー」や、トラックの荷台を舞台にしたトラック劇場での「腰巻お仙」などがよみがえってきた。芝居がはねた後、唐十郎が「死人箱にゃ74人 それからラムが一ビンと よいこらさあ よいこらさあ」とギター片手に朗々と歌う。客はトリスウイスキーを舐めながら始発電車を待つ。暗い海に漂いだす船のイメージを自分に重ねていたのを思い出した。 『実存―1968 - 69 状況劇場』西村多美子写真集(グラフィカ編集室・刊、2011)より転載
◆四谷シモン 68年、69年、『由比正雪』、『腰巻きお仙振袖火事』の時代は、世界中の若者の文化の一つとして、アンダーグラウンドの時代が到来していたんです。あらゆる物の価値観、たとえば、美術、演劇、政治的な事においても変革の時が来ていたと思います。その時代にちょうど青春とぶつかり合い、ある種の中心、台風の眼の位置にあった当時の状況劇場と、僕は運命的な出会いをしたんです。 唐十郎との出会いは、偶然友人が芝居に出る本番の日に、僕は芝居のしの字も知らなかったけれど、楽屋を訪ねてぼーっと見てたら、色白のぽっちゃりとした感じの人が近づいて来て、「申し訳ないが、このピンを私の髪の毛に打ってくれないか」って言ってきたんです。「ピンですか、いいですよ」と見ると手のひらにヘアピンが黒々と山のようにあるんです。僕は「エッ全部つけるんですか」と聞きました。ヘアピンをこんなに付けるなんて変だ、ただ事じゃない。僕はこの変な感じの人に会いたかったのかと、運命の出会いを心から感じてショックを受けたんです。 それから何十年という友情が僕と唐十郎の間で生まれました。状況劇場は、あの時代の演劇界において象徴的な存在でした。芝居とは劇場、小屋でやるものですが、日本の芝居そのものが、本来的に言えば河原から始まった。地べたで土ぼこりのするそこから、ある種の原初的な所から始まったということです。唐十郎の演出は、演じる役者の核について、麿赤児や、大久保鷹、それぞれをイメージしながら、当て書きをしていました。 『由比正雪』という芝居では、花園神社にテントを作りました。新宿西口公園のトラック劇場はかなり狭いところでしたし、もう本当に不可能ではないかということばかりやっていました。社会からみても、新聞の三面記事に載ったり、若者の心情に火をつけたり、全てがひとつのスキャンダラスな出来事でした。僕は元々役者志望ではなかったし、芝居なんかわかんない。そういう人間ではないのに、何故かああいう事ができてしまったんです。 よつやしもん (人形作家) 『実存―1968 - 69 状況劇場』西村多美子写真集(グラフィカ編集室・刊、2011)より転載
■西村多美子 Tamiko NISHIMURA(1948-) 1948年東京に生まれる。東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)で写真を学ぶ。学生時代の1968年頃アングラ劇団「状況劇場」の写真を撮る。初めての撮影は「由比正雪」で、唐十郎や麿赤児、四谷シモンなどの怪優たちに目を見張ったという。卒業前に、復帰前の沖縄へ初めての一人旅へ出る。1969年卒業後はアルバイトや雑誌の仕事を行ない、原稿料が入るとカメラを持って旅に出掛けた。撮影地は圧倒的に北海道と東北が多いが、関東、北陸、関西と広範囲にもおよんでいる。1990年代からはヨーロッパ、キューバ、ベトナムなど海外を撮影している。 写真展 1975年 「港町」東京写真専門学院ギャラリー/東京 1980年 「町 東京編」銀座ニコンサロン /東京 1981年 「町 北国編」新宿ニコンサロン /東京 1982年 「舞人木花咲耶姫」小西六ギャラリー/東京 1983年 「音楽 指揮者大友直人」ミノルタフォトスペース/東京 1998年 「しきしま」Taka Ishii Gallery/東京 2000年 「(小尚)景」スタジオエビス/東京 2001年 「Vent calmoso 〜熱い風〜」東京写真文化館/東京 2004年 「短歌絶叫 福島泰樹」PLACE M/東京・「西村多美子写真展」 I-GONG Gallery/韓国テジョン市 2005年 「熱い風」PLACE M 2009年 「しきしま」ギャラリー蒼穹社/東京 2012年 「憧景」ビリケンギャラリー/東京 2014年 「憧景」ときの忘れもの/「しきしま」禪フォトギャラリー/東京 写真集
<西村多美子写真展 実存-状況劇場1968-69>出品リスト 4月24日[金]-5月9日[土]
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