◆内間安瑆展 会期=2015年8月25日[火]―9月5日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休 内間安瑆(1921-2000、アメリカ生まれ)は沖縄からの移民だった親の勧めで、開戦直前の日本に留学し早稲田大学で建築を学びました。アメリカと日本と二つの祖国をもった内間は戦後は木版画家として活躍します。アメリカに帰ってからは大学で教える一方、浮世絵の伝統技法を深化させ「色面織り」と呼ぶ独自の技法を確立し、現代感覚にあふれた瑞々しい作風により、現代美術のメッカ・ニューヨークで高い評価を獲得しました。アメリカの代表的美術館には多数の作品が収蔵されています。 木版画というのは文字通り「版の絵」です。色ごとに彫られた版木に絵の具をおき、ばれんで一枚一枚摺りあげます。特に現代においては少ない版数で簡潔な表現がもとめられます。色数が多いほど、逆に版の面白さが消えてしまうからです。ところが内間の代表作となったのは、伝統的な手摺りで45度摺を重ねた〈森の屏風 Forest Byobu〉連作です。鮮やかな色彩のハーモニー、微妙なぼかしが入った色面が幾重にも重なる複雑な構成、多色にもかかわらず画面全体には静かな気品が漂います。父母から受け継いだ沖縄の豊かな色彩感覚が反映しているのではないでしょうか。 昨年9月に沖縄県立博物館・美術館で内間安瑆の回顧展が開催され、初期(1955年)から制作が途絶した1982年までの多色木版を中心に、墨絵、水彩、コラージュ、パステル、油彩、エッチングが展示されました。 ときの忘れものでは、内間安瑆の多色木版を約30点ご覧いただきます。 ■内間安瑆 Ansei UCHIMA(1921〜2000) 1921年アメリカ生れ。40年父母の国日本に留学。早稲田大学で建築を学ぶ。戦後、創作版画の恩地孝四郎に巡り逢い抽象木版に志す。55年東京・養清堂画廊で初個展。60年帰米、以降ニューヨーク在住。62,70年グッゲンハイム・フェローシップ版画部門で受賞。サラ・ローレンス大学名誉教授。2000年永逝(享年79)。メトロポリタン美術館、ホイットニー美術館、シカゴ美術館、アムステルダム国立美術館他が作品を収蔵。 <内間安瑆展>出品リスト 8月25日[火]―9月5日[土]
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