第304回 倉俣史朗 小展示
会期:2018年10月9日[火]―10月31日[水] 11:00-19:00※日・月・祝日休廊


1960年代後半から最新の科学技術に可能性を見出し、空間デザイン、家具デザ インの分野で革新的な作品を発表した世界的デザイナーである倉俣 史朗は、アク リル、グラス、アルミニウム、スチールメッシュを多用した作品を多数生み出しました。 没後もなおその独創性と希有な存在から多くの人々に影 響を与え続けています。

今回の小展示では、1979年の第11回東京国際版画ビエンナーレに出品され、その後長く埋もれていた版画作品「無極 I」「無極 II」を没後初めて公開いたします。国内外で開催された多くの個展や回顧展にも出品されたことはなく、あまたの文献にもほとんど記載がありません。

立体作品としては、浮遊感と透明感にあふれた代表作「Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)」はじめ、フラワーベース、《ガラスの椅子》のミニチュア作品、繊細な秒針が時を刻む「Just in time(時計)」、磯崎新設計のつくばセンタービル・筑波第一ホテルに使われた家具、《ミス・ブランチ》のマテリア ルとして使われた薔薇を封印したアクリル・オブジェ(没後制作)などを出品します。

美術史的にも重要な1972年の南画廊「三木富雄展」ポスター(デザイン:倉俣史朗、写真:小川隆之)や、国内外で開催された回顧展の貴重なポスター(横尾忠則デザイン他)も倉俣ファンにはお楽しみいただけると思います。 同時代に倉俣と協働した磯崎新や安藤忠雄のドローイング、版画作品と合わせてご覧いただきます。



■倉俣史朗 (1934-1991)

1960年代後半から最新の科学技術に可能性を見出し、革新的な作品を発表した世界的デザイナー。アクリル、グラス、アルミニウム、スチールメッシュを多用した作品が多い。 1934年、東京都生まれ。東京都立工芸高等学校木材科で学び、1953年から帝国器材に勤める。1953年から56年まで桑沢デザイン研究所リビングデザイン科で学び、1957年に三愛の宣伝課に就職、ウィンドウディスプレイなどのデザインを手掛ける。1965年クラマタデザイン事務所を設立。1967年、横尾忠則らとコラボレーションしたインテリアデザインなどで脚光を浴びる。

このころから、彼が生涯にわたって好んだアクリル素材を用いて、日常の空間に無重力を作り出したような、透明で浮遊感のある作品を生み出していく。 1970年「Furniture in Irregular Forms」シリーズで世界に広く認知される。1972年毎日デザイン賞を受賞。1981年エットレ・ソットサス Jr.らによるイタリアンデザインの新しいムーブメントであるメンフィス(Menphis)の展示会に磯崎新、マイケル・グレイブスらと共に参加。1990年フランス文化省芸術文化勲章を受勲。 1991年、急性心不全のため死去。享年56。
展示風景(タケミアートフォトス撮影)



展示風景 (以下の画像は、阿部勤先生撮影。)


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