第331回 夏休み こども図書室 熊谷守一・五味太郎の絵本と版画展(予約制) 会期=2021年7月30日(金)〜8月14日(土) アポイントメント制 11:00-19:00 ※日・月・祝休 ※観覧をご希望の方は事前にメールまたは電話にてご予約ください。 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。 |
ときの忘れものでは子どもから大人まで楽しめる夏休み企画を開催します。
熊谷守一は76歳の時に脳卒中で倒れて以来、遠出が難しくなり、身近な植物、昆虫、猫を主題にすることが多くなっていきます。熊谷ときいて思い浮かぶ「明るい色調」や「赤い輪郭線」といった特徴的な作風は晩年のものです。今回の展示では、熊谷守一が生前に制作した版画と、没後にご遺族の監修により制作された版画、合わせて15点を展示します。
五味太郎は絵本作家として時代を超えて子どもから大人まで多くの人々に愛され続けていますが、今回は版画作品も展示します。ふくろうやきりん、うさぎなどかわいらしい動物がポップな色彩で描かれている版画作品は、絵本とはまた違った魅力を持っています。
約12点の版画作品と一緒に、熊谷守一の『はじまるよ』、五味太郎の『さんさんさん』『はやくあいたいな』など30冊ほどの絵本を用意してお待ちしております。観て、読んで楽しめる夏休みの特別企画です。
■熊谷守一 KUMAGAI Morikazu
1880年岐阜県に生まれる。1900年東京美術学校(現・東京芸術大学)西洋画科に入学。黒田清輝、藤島武二らの指導を受ける。同級生に青木繁がいた。1930年代より墨絵を描き始め、晩年は書も書くようになる。1932年に豊島区長崎町(現千早)に移り住み、生涯過ごす。1964年にパリの画廊にて個展、日本各地でも数多く個展が開催されるようになる。1967年文化勲章を辞退。1977年8月1日死去(享年97)。戦後は明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立し、猫や鳥、虫や花など、身近な生命をテーマに描きたい時だけ描いた。それらの一連の作品は“クマガイスタイル”と称され、今なお高い評価を得ている。住まい跡地は「豊島区立熊谷守一美術館」となっている。
■五味太郎 GOMI Taro
1945年東京都に生まれる。桑沢デザイン研究所ID科卒業。日本を代表する絵本作家のひとり。
1973年に絵本『みち』(福音館書店)でデビューして以来、絵本を中心に400冊を超える作品を発表し、子どもから大人まで幅広いファンを持つ。海外でも20カ国以上で翻訳・出版されている。主な作品に『かくしたのだあれ』『たべたのだあれ』(サンケイ児童出版文化賞)、『仔牛の春』(ボローニャ国際絵本原画展賞)、『さる・るるる』、『らくがき絵本』、エッセイ『ときどきの少年』(路傍の石文学賞)など。サンケイ児童出版文化賞、ボローニャ国際絵本原画賞、路傍の石文学賞など受賞多数。
展示風景 ※画像をクリックすると拡大します。