第332回 生誕110年 第30回瑛九展 フォト・デッサンと型紙 会期=2021年9月3日(金)―9月25日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝休 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。 |
今年は瑛九の生誕110年にあたり、ときの忘れものでの瑛九展は30回にのぼります。
本展では、瑛九のフォト・デッサンと型紙を約25点展示します。
瑛九の造語である「フォト・デッサン」は、先行するマン・レイやモホリ=ナジが印画紙上に物を置き、直接光をあてて制作した「フォトグラム(レイヨグラム)」と同じ技法ですが、これに自らの進むべき道を見出した若き日の瑛九の自負をうかがわせる言葉であると言えます。マン・レイたち先行者と異なり、瑛九は自ら切り抜いた「型紙」を使って膨大な点数を制作しました。その作品群を見れば、それらが絵画性の強い独創的なものであったことは一目瞭然です。瑛九が「型紙」に使ったのは、普通の「紙」や「セロファン」のほかに、一度は完成させたフォトデッサン(印画紙)を次の作品を作るために「型紙」として切り抜いてしまったものも多数存在します。従来は、「フォト・デッサン」の失敗作を「型紙」に転用したと言われてきましたが、フォト・デッサン型紙の中には、きちんと瑛九自筆のサインや年記が記入されたものあり、失敗作などではなく、完成作品を惜しげもなく、切り抜いてしまったのはどのような意図だったのでしょうか。
それら型紙に鉛筆で下書きされた線や切り抜いたラインからは、瑛九の手の痕跡が感じられます。
展覧会に合わせてカタログを刊行します(テキスト:飯沢耕太郎、ワーグナー浅野智子)。
●図録を刊行しました
『生誕110年 第30回瑛九展 フォトデッサンと型紙』カタログ
2021年 B5版 28P
執筆:ワーグナー浅野智子(美術博士)、飯沢耕太郎(写真評論家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
発行:ときの忘れもの
税込価格 880円、送料250円
■ 瑛九 Q Ei
展示風景 ※画像をクリックすると拡大します。