第347回 第31回瑛九展
2022年10月7日[金]〜10月22日[土] 11:00-19:00
※日・月・祝日休廊



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明治以来、多くの画家たちが悪戦苦闘した油彩画ですが、瑛九こそがもっとも優れたカラーリスト(色彩画家)であると思います。
24歳の青年・杉田秀夫は1936年1月、宮崎から上京し、持参した印画紙作品(フォト・デッサンと命名)を久保貞次郎、長谷川三郎、外山卯三郎らに認められ、瑛九としてデビューを飾ります。フォト・デッサンやコラージュを多数制作し、前衛画家として注目を集めました。また、版画制作に没頭した時期もあり、1951年から1958年までの僅か足掛け8年の間に銅版画350点制作。1956年からはリトグラフにも取り組み、158点を制作しました。
油彩については、はじめは抽象表現を、そして「印象派からやり直す」として具象作品をつくり、戦後は再び抽象表現に取り組み、短い生涯にダイナミックな変遷を重ねました。そして最後に行き着いたのが点描で画面全体を埋め尽くす独自の抽象絵画でした。48歳の命を燃えつくすまで、油彩、水彩、吹き付け、フォト・デッサン、フォト・コラージュ、銅版、リトグラフなど、それぞれに独自の表現を求め、決して自分を模倣することはありませんでした。いつもそこには光り(最も美しい色彩)がありました。
本展では、瑛九の銅版とリトグラフを中心に、晩年の油彩点描画もご覧いただきます。

瑛九 Q Ei(1911-1960)
1911年宮崎生まれ。本名・杉田秀夫。15歳で『アトリヱ』『みづゑ』など美術雑誌に評論を執筆。1936年フォト・デッサン作品集『眠りの理由』を刊行。1937年自由美術家協会創立に参加。既成の画壇や公募団体を批判し、1951年デモクラート美術家協会を創立。靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、細江英公ら若い作家たちに大きな影響を与えた。1960年48歳で永逝。



展示風景


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