第364回 生誕120年 瀧口修造展V Part 1 2024年4月5日(金)〜4月20日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊 主催:ときの忘れもの 協力:BOOKS青いカバ ※画像をクリックすると拡大して表示されます。 |
瀧口修造(1903-1979)の生誕120年を記念して、瀧口修造のデカルコマニーと水彩作品を展示します。
ときの忘れものではカタログ『瀧口修造展』T・U・V・Wを刊行してきましたが、本展では瀧口修造の未公開のデカルコマニーと水彩を収録したカタログ『瀧口修造展V』を刊行(予価:2,500円)。
記念イベントとして、瀧口修造講演「美というもの」(1962年の富山高校における録音の再生。土渕信彦氏解説)を2回開催。4月6日(土)、20日(土)16時〜17時半。要予約(参加費無料)。
また、シュルレアリスム宣言100周年関連の書籍雑誌100冊を特別頒布します(選書:BOOKS 青いカバ)。
●記念イベント
瀧口修造講演「美というもの」録音再生
解説=土渕信彦
2024年4月6日(土)満席になりました、4月20日(土)満席になりました
時間:両日ともに16:00〜17:30
定員:各10名
料金:無料
※要予約。参加をご希望の方は info@tokinowasuremono.com まで、
ご希望日程と参加人数を書いてご連絡ください。
■瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI(1903.12.7〜1979.7.1)
詩人・美術評論家・造形作家。富山県出身。戦前・戦後を通じた、前衛芸術の精神的・理論的支柱といえる存在。西脇順三郎を通じて知ったシュルレアリスムの紹介・普及に、生涯にわたり注力した。慶應義塾大学在学中にA.ブルトン『超現実主義と絵画』(厚生閣書店、1930年)を全訳し、前衛詩の極北とされる一連の実験的な詩も執筆した。1931年に卒業後、36年頃まで映画製作所PCLに勤務する傍らブルトンらと文通し、シュルレアリスム文献の翻訳や評論を発表、また多くの前衛芸術家グループも指導した。37年には「海外超現実主義作品展」(銀座の日本サロンほか)を山中散生とともに開催した。当時のシュルレアリスムは国際共産党と対立していたが、41年4月、治安維持法違反の嫌疑で福沢一郎とともに特高に検挙され、起訴猶予処分による11月の釈放後も保護観察下に置かれ、活動は抑圧された。戦後は「時代の証言者」とも評される多彩な活動を展開した。読売アンデパンダン展(49〜63年)などの眼識のある展評により、若手作家から絶大な信頼を寄せられた。51〜57年、神田駿河台下の画材店竹見屋の依頼でタケミヤ画廊を運営し、208回の展覧会を通じ河原温、草間彌生らを輩出した。51年に北代省三、山口勝弘、武満徹、湯浅譲二らが結成した「実験工房」の活動も、命名者として後見した。58年、ヴェネチア・ビエンナーレの代表・審査員として訪欧し、イタリアの彫刻部門代表L.フォンタナに絵画・彫刻の両部門で投票した後、ブルトン、M.デュシャン、S.ダリらと面談して帰国した。60年以降、執筆の重心を美術批評から展覧会序文へと移し、また自らも水彩やデカルコマニーなどの制作を開始し、個展を6回ほど開催した。国立近代美術館運営委員(52〜64年度)などの公職を退く一方、赤瀬川原平の「千円札裁判」(65〜70年)では特別弁護人を買って出た。63年、架空の「オブジェの店」の開店を構想し、店名の命名をデュシャンに依頼すると、有名な女性変名「ローズ・セラヴィ」を贈られ、返礼に『マルセル・デュシャン語録』(後出)を刊行した。以降もデュシャン研究に従事し、心筋梗塞で没した。
著書に『近代芸術』(三笠書房、1938年)、『ミロ』(アトリヱ社、1940年)、『幻想画家論』(新潮社、1959年)、『余白に書く』(みすず書房、1966年)、『瀧口修造の詩的実験 1927〜1937』(思潮社、1967年)、『シュルレアリスムのために』(せりか書房、1968年)など。
造形作家との共作に、阿部芳文(展也)との『妖精の距離』(春鳥会、1937年)、北川民次、瑛九らとの『スフィンクス』(久保貞次郎私家版、1954年)、デュシャン、J.ジョーンズ、J.ティンゲリー、荒川修作との『マルセル・デュシャン語録』(東京ローズ・セラヴィ、1968年)、J.ミロとの『手づくり諺』(ポリグラファ社、1970年)、同『ミロの星とともに』(平凡社、1978年)、岡崎和郎との『檢眼圖』(東京ローズ・セラヴィ、1977年)など。
映像制作:WebマガジンColla:J 塩野哲也 |
展示風景 ※画像をクリックすると拡大します。