ギャラリー新人日記 2005年6月

ギャラリー新人日記 6月30日

今日は綿貫さんと三浦さんと打ち合わせが終わった後、15分程度研修を受けました。
「PDCA」・・・Plan Do Check Action 
「ほうれんそう」・・・報告、連絡、相談
これが大切だそうです。こんがらがる前に「PDCA」と「ほうれんそう」を実行しようと思います。
私も、父から贈って貰った大切な言葉があります。
「あおいくま」・・・あせらず、おこらず、いばらず、くさらず、まけるな。

今日は、磯崎新先生のブログをアップし、8月の展覧会に出品する内間安王星
さんの作品カードを制作しました。実物の作品を見て、情報を記入している
うちに、だんだん作品名が記憶に入ってきました。今、画廊の壁には瑛九さん
の油彩「黄色い点」が飾ってあります。

瑛九「黄色い点」瑛九「海の記念日」  

ギャラリー新人日記 6月29日

今日は、綿貫さんと令子さんと雄高さんと三浦さんと私で、「P氏&K氏旧蔵・現代美術オークション」の反省会と今後のスケジュールについて打ち合わせをしました。雄高さんがオークションの作品の撤去作業を行い、壁がすっかり寂しくなりました。私は、昨日に引き続きDM制作に取り掛かりました。とりあえず自分でDM書いてみた文章を綿貫さんに提出しました。漢字が苦手な私ですが、このDM制作で漢字の面白さをこの歳になって知りました。「刷る」と「摺る」が使い分けられていたので、綿貫さんに聞いてみると、「刷る」はプレス機で印刷し「摺る」は手偏だから手でバレンを使ってすったからこの漢字を使っているんだよと教えて戴きました。より忠実に表現することができる漢字を知り、伝わる文章を書きたいです。そういえば、私は研修を受けずに、初日は磯崎新先生と植田実先生と打ち合わせから始まり、あれよゝと2週間が過ぎました。私は、勝手に溶け込んでいるように感じているのですが・・・慣れ過ぎて怠慢化しないよう気を引き締めていこうと思います。明日研修です。

FOREST BYOBU (VERMILION BLEND)FOREST BYOBU (EARLY MORNING SUN)内間安王星の作品  


ギャラリー新人日記 6月28日

8月に予定している「内間安王星展」のDMの準備のために、綿貫さんに内間安王星さんの作品の実物を見せて戴き、内間先生の経歴について教えて戴きました。私は内間先生の経歴を文章で読み、作品は複製でしか見ていなかった為、DMに苦戦していたのですが、オリジナルの作品を見て、内間さんと何度も御逢いされている綿貫さんから経歴を耳で聞くと、リアリティが出てきて、書けそうな気がしてきました。また、版画(オリジナル)と複製について教えて戴きました。複製(印刷)をルーペで見せてもらったのですが、色はルーペ越しでしか見えない程の細かい4色のドットから成っていました。ピンクや緑などに見える色が、実際には4色のドットがモアレ状に入り混じって、裸眼で見ると目の錯覚でピンクや緑などに見えるということに、ちょっと感動しました。そして、内間先生のDMに載せる撮影用の木版画と銅版画を選びました。水彩画2点は私に選ばせてくださいました。今週の土曜は、刷り師の白井さんが磯崎新さんの「百二十の見えない都市」を刷るそうなので、その現場(版画工房)を見に行く予定です。出来上がりの作品は見たことがあっても、何がどうなって完成するのか全く想像できないので、とっても楽しみです。
版画掌誌  

ギャラリー新人日記 6月25日

今日はオークション2日目です。今日も多くの方々が御来廊くださいました。私なりに、オークションについて色々考えてみたのですが、オークションは作品の価値=価格を自分で決める事ができます。気持ちをお金に換算することは、この世の中仕方ないことですが、最高の価値をつけた人の許へ渡る作品は作者にとっても作品にとってもとても喜ばしい事だと思います。改めて、オークションは素敵な仕組みだと思いました。
夜、私の歓迎会を開いて戴きました。メンバーは、綿貫さん、令子さん、経理顧問の公認会計士の梅田さん、編集顧問の和光大学教授の三上さん、デザイナーの北澤さん、雄高さんご夫妻、三浦さんご夫妻、岡部さんと私です。私のリクエストで、大人数で食べる時にはもってこいの中華料理でした。とてもおいしいお料理とお酒で、皆さんに温かく迎えられ、とても幸せでした。皆さん本当に素敵な方々で、親切に接してくれます。有難い限りです。午後、所用で歓迎会に参加できないという刷り師の白井さんがプレゼントにワインと焼き菓子を持って画廊に訪ねて来て下さりました。感激しました。ありがとうございました。まだまだ青い私ではありますが、皆さん宜しくお願いします。
歓迎会@歓迎会A歓迎会B歓迎会C  

ギャラリー新人日記 6月24日

今日は「P氏&K氏旧蔵・現代美術オークション」の初日です。多くの方がご来廊くださいました。皆さん、真剣に作品を観覧し、入札していました。どの作品が誰の元に渡るのか、私もわくわくしています。オークション出品作品ではないのですが、安藤忠雄さんの版画が売れました。私は始めて安藤さんの建築以外の作品を目にしました。今日は8月の内間安王星展のDM作成に取り掛かりましたが、悩みすぎて一向に進みません。夕方、プロテスタントの牧師さんが来廊し、私は日経新聞の夕刊に掲載されている「市民派コレクターたち」の記事を沢山戴きました。コレクターは男性に多いという話になりました。私もときの忘れもので働き始めて気付いたのですが、画廊に来廊する方は9割が男性ですが、美術館は女性の方が多い気がします。女性の方は“見る”のは好きですが、“買う”となるとためらう気がします。実際、奥さんには秘密で購入する男性の方も多くいらっしゃいますし・・・コレクションは男のロマンなのでしょうか?とにかく多くの方が来廊し、ときの忘れものはとても賑やかです。
my desk DM制作に奮闘中マイデスク。今日もDM作成に奮闘中。  

ギャラリー新人日記 6月23日

今日は、綿貫さんと雄高さんと、「磯崎新 百二十の見えない都市」のブログを作成することについての打ち合わせをしました。磯崎さんのモスクワ展の情報はじめ、建築設計だけにとどまらない幅広い活動の一端をお知らせできるようホームページなどで発信して行きたいと思っています。昨日と同じく、三浦さんと雄高さんは、24日から26日まで画廊で催される「P氏&K氏旧蔵・現代美術オークション」の出品作品の展示作業をしました。壁は絵で埋め尽くされて、飾りきれない程、多くの作品があります。今日から私は、8月に開催する内間安王星展のDM制作に取り掛かります。内間先生についてホームページや版画掌誌などの過去の資料をいろいろ読みましたが、同じ意味を表す言葉なのに表現方法によって聞こえ方が違ってきます。私らしい言葉のニュアンスで表現できたら良いなと思います。今は手探りの状態ですが、皆さんに教わりながら進めて行きたいと思います。22bd2208.JPGときの忘れものAときの忘れものB  

ギャラリー新人日記 6月22日

今日は雄高さんに初めてお会いしました。今日から明日にかけて雄高さんと三浦さんは画廊でオークション出品作品の展示作業をします。壁が絵で埋まると、画廊が明るくなるような気がします。絵に囲まれて仕事ができるなんて、とても恵まれている環境です。14時にデザイナーのの北澤敏彦さんと打ち合わせが入っていたので、綿貫さんと伺いました。打ち合わせ内容は版画掌誌5号のジョナス・メカス特集と日和崎尊夫特集についてです。北澤さんの事務所ディスハウスに伺うのは初めてでしたので、中の様子を拝見させて戴きました。ときの忘れものまでの帰り道、綿貫さんにアート・ショップ ナディッフとワタリウム美術館、トキ・アトートスペースとgallery DAZZLEに連れて行ってくださいました。青山には本当に多くのギャラリーが在るそうです。ときの忘れものも南青山ですし・・・。ギャラリーによって全く雰囲気が異なりました。打合せから帰ると画廊に綿貫さんの友人の新聞社の方がいらっしゃっていました。そして、パソコンの事でいらっしゃった田中さんもご一緒に、皆でお茶を戴きました。夕方、昨日の続きの「アンディ・ウォーホル展 1983〜1984カタログ」の<編集後記>の執筆者の人名の読み合わせをしました。やはり、人名は読み方が難しいですが、アンディ・ウォーホルは本当に多くの方に愛されていたのだと、改めて実感しました。私も、皆から愛される仕事をしていきたいと思いました。このギャラリー新人日誌は、私の家族も愛読してくれています。嬉しいことです。  

ギャラリー新人日記 6月21日

今日は先週の続きで、1983年に刊行した「アンディ・ウォーホル展 1983〜1984カタログ」の<編集後記>の校正をし、この作業は終了しました。そして、読み合わせをしましたが、初回の読み合わせに比べて、比較的スムーズに出来た気がしますが、何せ長い文章だったので、喉が渇きました。19時に近くの和食料理・北海屋さんに行きました。メンバーは、月刊誌「室内」の塩野さんと奥様の和子さん、青森県弘前市で旅館を営んでいらっしゃる石場さん、建築の編集者でこの春から東京大学大学院に入った吉川さん、ときの忘れもの社長の令子さん、綿貫さん、そして私です。令子さんと綿貫さん以外、皆初対面ですが、建築の話題で盛り上がりまた。皆さん知識が豊富で、 私は話に付いて行けず、ひたすら聞き役にしか回れませんでしたが、面白い話を沢山聞くことができました。石場旅館(図1)は明治12年に建てた古い建物だそうですが、古い建物の保存に悩みを抱えているそうです。古い建物は壊され、現代や未来に受ける現代建築が次々に建設されている時代ですが、その中で、弘前の昔ながらの旅館は時代に取り残されていくのでは・・・という危機感を持っている石場さんに、皆声を揃えて古い建物は貴重な財産だから残していくべきだ・・・とおっしゃっていました。10月には石場旅館に泊まり、前川國男はじめ弘前の建築を訪ねるツアーを企画するそうです。壊すエネルギーも残すエネルギーもどちらとも大変な労力が必要だと思います。最後に、名刺を交換し合い、お互い力になり合うことを言い交わしていました。新たなnetworkがここで誕生しました。出逢いから生まれることは沢山あります。出逢いの場に参加させて戴き、とても感謝しております。ありがとうございました。これからも、多くの出逢いの場に参加し、素敵な方々と出逢っていきたいです。6be753ae.jpg緑が繁っている庭石場旅館の内装  


ギャラリー新人日記 6月17日

今日は綿貫さんが1983年に刊行した「アンディ・ウォーホル展 1983〜1984カタログ」という183ページもある本の<編集後記>をホームページに掲載するために、文章の打ち込みと校正をしました。読めない漢字は辞書で引き、振り仮名を付けてメモ帳に書き留めました。パソコンと本をずっと照らし合わせて校正をする作業は目と首が疲れるので、三浦さんにお借りしたオークションの本を見せて頂き、息抜きをしました。今まで、どんな絵が好きか考えたことはありませんでしたが、三浦さんに「どんな絵が好き?」と聞かれ、私は、女性が描かれている絵とポップアートに惹かれたことを告げました。綿貫さんから、7月に帝国ホテルで開催されるオークションに、三浦さんと行ってらっしゃいと言われました。オークションに参加するのは初めてなのでとても楽しみです。明日は休みなので、横浜美術館で開催されているルーブル美術館展を見に行きたいと思います。

ギャラリー新人日記 6月16日

今日は出勤4日目です。出勤途中、外苑西通りの交差点で綿貫さんにお会いし、一緒に出社しました。雨の中、13時に浜田さんが、14時に田中さんがいらっしゃいました。田中さんには私が使用するパソコンにデータなどを入れて頂き、長い時間を費やさせてしましました。ありがとうございました。その間、綿貫さんが書いた資生堂ギャラリーについての原稿の校正をし、昨日と同じく、綿貫さんと読み合わせをしました。古典的な文章だったというのは言い訳になりますが、読めない漢字が多く、魔の読み合わせでした。しかし、綿貫さんに「校正は正確だよ」と言って頂いたので、救われました。夕方、神宮前にあるQUICOというショップにポスターの額装を依頼され、お預かりに伺いました。QUICOのスタッフである坂本有子さんにショップの中を紹介して頂きました。洋服からインテリア雑貨まで可愛いモノが沢山売っており、ついつい仕事という事を忘れそうになる楽しい空間でした。坂本さん、今度は休みの日にプライベートで伺いますね。

ギャラリー新人日記 6月15日

ギャラリー新人日記 6月15日
今日は出勤3日目です。まず、綿貫さんと三浦さんと、私の仕事分担と今後のスケジュールについて打ち合わせをしました。細かく、また、わかりやすく教えて頂きました。私のデスクは三浦さんの隣です。私はわからない事が多かったので、ついつい三浦さんに頼み事をしてしまいましたが快く引き受けて頂きました。お忙しい中、ありがとうございました。今日は植田実さんから磯崎新
連刊画文集《百二十の見えない都市》の予約購読者(パトロン)の皆さん宛の書簡を入れたDM作りをし、発送しました。その後、綿貫さんと原稿の読み合わせの仕事をしました。漢字を読むことが不得意な私にとって、読み合わせという仕事は恥さらしに近いものがありましたが、とても丁寧に読み方と意味を教えて頂きました。これを機に、漢字帳を購入し、漢字を克服したいと思いました。わからない事をわからないまま過ごす生活に終止符を打ち、すらゝと読み合わせが出来るようになりたいと思います。

ギャラリー新人日記 6月14日

6月14日(火)
今日は出勤2日目です。ときの忘れものを退社されることになった栗原佐和子さんにお会いしました。栗原さんのことは綿貫さんによく伺っていましたので、お会いできてとても嬉しかったと同時に、しっかりしていらっしゃる栗原さんの後任を私は受け継ぐことができるのかと少し不安な気持ちにもなりました。午後3時半頃、北澤さんがお見えになり、磯崎新連刊画文集《百二十の見えない都市》のデザインの打ち合わせをしました。昨日とは違い、張本人である磯崎さんがいらっしゃらない打ち合わせというのは、全くスムーズではありませんでした。皆さん、それぞれの職人であり、様々な角度から見ると何かしら問題が出てきます。そこを何とかしてくださるのは北澤さんです。とても大変なお仕事だと思います。一つのモノを、それぞれの職人が作り上げていく面白さも、また難しさも味わえた日でした。クオリティが高い画文集になるはずです。
  

ギャラリー新人日記 6月13日

6月13日付で「ときの忘れもの」に入社した尾立麗子です。初日の今日は16時から磯崎新アトリエで磯崎新連刊画文集《百二十の見えない 都市》の制作打ち合わせでした。編集長の植田実さん、刷り師の石田さん、白井さんなどと一緒にアトリエに伺いました。私の記念すべき初仕事です。先ず、綿貫さんと磯崎さんご夫婦への手土産として厳選された最中と黒豆を買いに行きました。綿貫さんは、食にこだわりを持っていらっしゃる磯崎さんと奥様の宮脇愛子さんお気に入りの手土産を、必ず持って行かれるそうです。打ち合わせでは、私は皆様と初対面でしたが、緊張というよりはワクワクした気持ちで話を伺っておりました。初めての事ばかりでわからない話が多かったのですが、版画に対する皆様の真剣な眼差しを拝見することができ、私も早くこの打ち合わせの会話に入っていけるようになりたいと思いました。御多忙な磯崎さんの、版画の試刷りを前に、レイアウトを一枚一枚じっくり見て決めていく御姿は、とても印象深かったです。まだ発表されていない試刷りのうち5〜6点を6月25日からモスクワで開催される「磯崎新展」に急遽出品することとなりました。磯崎さんのアトリエでの打ち合わせは1時間程で終了し、その後、植田さんと浜田さんと綿貫さんと和食の店に行きました。植田先生は、私が鹿児島出身と
いうこともあり、芋焼酎で乾杯してくださりました。タイ旅行のお話や東京芸大の学生の作品の話はとても新鮮で、私もすぐに打ち解けることができました。私の知らない人名が飛び交い、自分の無知度に情けなさを感じつつ、これからより多くの事を吸収したいという願望が出てきました。どのように知識を身に付けていこうかとあれこれ考えていた矢先に、綿貫さんは「一週間に二、三冊の書物を読み感想文を書くこと」と「毎日仕事の日誌を書き文章能力を伸ばす」という課題を私に与えて下さりました。これから忙しくなりそうですが、私の引き出しに入りきれないくらい沢山の知識を増やせるよう、日々心掛けていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。磯崎アトリエにて  

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