◆アートフェア京都
会期:2011年5月20日[金]・21日[土]・22日[日] 時間:11:00-19:00 会場:ホテルモントレ京都4 階・5 階フロア(京都市中京区烏丸三条南) ときの忘れもの部屋番号:4階421号室 公式サイト:http://www.artfairkyoto.com/ 出品予定作家:宮脇愛子(真鍮彫刻)、細江英公(写真・新作ポートフォリオ〈ヴィッラ・ボッティーニ〉)、小野隆生(新作のテンペラ作品)、尾形一郎・尾形優(写真〈室内の砂丘〉)、ジョック・スタージス(新作写真)、井桁裕子(人形)、津由(インスタレーション〈Mesdames Butterflies シリーズより〉)、他 アートフェア京都は昨年始まったばかりのホテルでのアートフェアです。 ホテルモントレ京都の4 階・5 階の客室を会場に、今年は、昨年の2倍の規模となる約60の国内外の画廊、企業、企画団体が出展します。 ときの忘れものは、現代美術の第一線で活躍する上記の7作家を出品します。 ■宮脇愛子 Aiko MIYAWAKI 1929年東京生まれ。阿部展也、斎藤義重に師事して絵画を学んだ後、1957-66年欧米各地に滞在し、制作活動を行ないました。真鍮、石、ガラスを用いた立体作品のほか油彩や墨絵を制作し、代表的な彫刻作品《うつろひ》は、モンジュイック・オリンピック広場(バルセロナ)、ラ・デファンス(パリ)、奈義町現代美術館など世界各地にコレクションされています。宮脇の作品は、平面や立体、真鍮やガラスといったメディアに関係なく、常にかたちにとらわれず、作品を媒体としてその向こうに見えてくるものを表現しようとしています。今回展示する真鍮の作品も、外側の形を見せるのではなく、近づいて覗き込んで、それを通して何が見えるか試したくなる「温かな彫刻」として作られました。 ■細江英公 Eikoh HOSOE 1933年山形県生まれ。昨年文化功労者として顕彰され国際的にも日本を代表する写真家です。2009年にイタリアの小都市ルッカにある16世紀の貴族の館で開催された自選写真絵巻展を、細江自らが撮影した作品(12点組のポートフォリオ)を出品します。絢爛たるフレスコ画が描かれた空間に、日本的な絵巻物や屏風、軸などに仕立てられた<薔薇刑><ガウディの世界>など細江の代表作が並ぶ様は壮観で、その西と東の文化の邂逅を余すところなくカラーで捉えた作品となっています。 ■小野隆生 Takao ONO 1950年岩手県生まれ。1971年以来イタリアに在住。中世、ルネサンスの絵画の技術を学び、1977〜85年にはイタリア各地の教会壁画や美術館収蔵作品の修復に携わる。テンペラ画手法による肖像画を一貫して制作し、1976年銀座・現代画廊で初個展以来、銀座・ギャラリー池田美術、盛岡・MORIOKA第一画廊、ときの忘れもの他で個展を開催、資生堂ギャラリー[椿会展]に出品、2008年には池田20世紀美術館で大規模な個展を開催しました。小野の肖像画には特定のモデルはなく、蓄積されたイメージの中にある人物を、「ライバルは500年前のルネサンスの画家たち」との揺るぎない精神で淡々と描き続けています。今回出品する作品は、最新作で、アートフェア京都で初めて発表されるものです。過去のスタイルに安住することなく毎回変化するその作品は、見るものに美に対する信念を問いかけてきます。 ■尾形一郎 尾形優 ICHIRO OGATA ONO & Yu OGATA 尾形一郎は、1960年京都生まれ。尾形優は、1964年東京生まれ。両名とも早稲田大学で建築を学び、「建築という方法で、どこまで人の心の深層や無意識の領域が表現できるか」を「既存建築を撮影すること」によって表現しています。異なる文化がぶつかり合って出来た建築物を、世界中の辺境の地に求めて撮影した作品は、圧倒的なディテールを持って迫り、そこに封じ込められた時間と人々の意識を可視化します。ナミビアで撮影された今回のシリーズ、「室内の砂丘」は、ダイアモンドラッシュに湧いたアフリカの砂漠に、100年前のドイツ人が残した家々の痕跡です。19世紀末の優雅なゼツェッシオン風の室内に広がる砂丘の風紋に、日本の禅庭を連想し、心の内面にある宇宙を見つめるように撮影した連作です。 ■ジョック・スタージス Jock STURGES 1947年ニューヨーク生まれ。北カリフォルニアやフランスのビーチで夏を過ごすヌーディストの家族のポートレートを、その美しい自然の中で撮り続けている。8×10の大型カメラで撮影されたモノクロームおよびカラーのプリントは、少女の清冽な美しさ、家族の愛情、自然の詩情を湛えた作品として高い評価を得ています。今回展示するのは、2010年にフランスのモンタリヴェやラ・ジェニー、サンマルタンなどで撮影された新作です。スタージスは、3月の東日本大震災の二日後に支援の意思を表明し、この新作の収益を全額、支援団体に寄付することを申し出てくださいました。加えて、震災支援エディションとして、二つの作品を各25点、計50点のプリントを制作し、売上を全額寄付して欲しいと我々に託しました。その作品2点を震災支援チャリティ室にて展示・販売いたします。 ■井桁裕子 Hiroko IGETA 1967年東京生まれ。1986年頃より球体関節の人形を制作。1990年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。モデルとなる人物を作家の中で解体し、再構成して作る人形作品を、ポートレートドールとして発表。その斬新さと大胆な造形は高い評価を得ています。2004年「球体関節人形展・dolls of INNOCENSE」(東京都現代美術館)をはじめ、多くの展覧会に出品するほか、映画「アリア」(坪川拓史監督)のため人形を制作するなど幅広い活動をしています。今回出品する作品は、その大きさに比して、強い存在感と魅力を持っています。 ■津由 TSUYU 東京生まれ。両親(韓国人の父親と日本人の母親)は共に画家で、8歳の時に一家でフランスに渡る。ロゼラ・ハイタワー国際バレエセンターを卒業し、ダンスと音楽のバカロレアを得た後、フロラン演劇学校、国立演劇コンセルヴァトワールにて演技を学んだ。リュック・ベッソンプロダクションの"タクシー2"などのほか、2009年カンヌ映画祭監督週間で正式出品作品に選ばれた、日本とフランスの共同制作映画、"ユキとニナ"(イポリット ジラルド、諏訪敦彦監督)などの映画に出演する。そうした傍ら、韓国の紙で折った数百もの蝶に日本の糸を通して作るインスタレーション作品を制作し始め、パリやベルギーで個展を開催しています。現実と冥界を行き来するようなイメージの蝶の塊は、歴史の積み重なった京都にこそ展示するのがふさわしいかもしれません。 会場風景 見積り請求(在庫確認)フォーム |