◆X氏写真コレクション展II 会期=2011年10月21日[金]―10月29日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休 X氏コレクションの特徴は、写真界のピカソとまで称揚されたエドワード・ウェストンの1930年代を代表する「砂丘」を除いて全てが人間を捉えた写真作品ということです。 誰もが知っている著名人から無名の人々まで、多くの肖像写真が目を奪います。 <カーシュに撮られることが世界のセレブリティであることの証である>とまで言われたユーサフ・カーシュによるホアン・ミロに始まり、ファッション写真家、ドキュメント写真家として高い評価を得たリチャード・アヴェドンが撮った濱谷浩(写真家)の珍しいポートレート、1960年代のアメリカ現代美術の興隆の真っ只中を伴走したウーゴ・ムラスのアンディ・ウォーホルやジャスパー・ジョーンズのポートレートは新しい美術が生み出されて行く瞬間を捉えた貴重な記録写真でもあります。 細江英公の撮った三島由紀夫や土方巽、そして五味彬の撮った村上麗奈、日本の肖像写真界の第一人者だった吉川富三による奥村土牛(日本画家)や谷崎潤一郎(小説家)の毅然たる風貌は、それぞれが時代の鏡ともいえる象徴的な意味さえ獲得しています。 1980年代のメジャー雑誌の表紙を席捲したハーブ・リッツの男達の肖像の放つ力強い造型は見るものを圧倒します。 アンリ・カルティエ=ブレッソン、 ロベール・ドアノーらとともに20世紀を代表するフランスの写真家エドゥアール・ブーバが撮った恋人たちの姿はいかにもパリのエスプリを感じさせますし、対照的にジョージ・タイスが撮ったアーミッシュの少年達はヨーロッパの桎梏から逃れ新天地アメリカを目指した人たちの夢を伝えています。 ナチュリストの家族や少女たちを暖かな視線で撮り続けるジョック・スタージスの銀塩写真の代表作2点、日本にも滞在したことのあるフランセス・マーレイによる双子の子供達、広告写真から東京大学所蔵の標本コレクションを撮影するなど幅広い活躍を続ける上田義彦のポートレート写真など、いずれも詩情あふれる作品ですが、X氏コレクションの凄みのあるところはそういう写真とは対極にある激しい表情の秀作を含んでいることでしょう。 愛娘エヴァのヌード写真でスキャンダラスな議論を巻き起こしたイリナ・イオネスコの作品はモノトーンの中に華麗なバロック的世界を現出させていますし、死体やフリークスなどの特異な被写体とエロティックかつ怪奇的な表現方法でスキャンダラスな作品を制作しているジョエル=ピーター・ウィトキンの作品はX氏コレクションの白眉といってもいいでしょう。 出品作家:リチャード・アヴェドン、エドゥアール・ブーバ、五味彬、細江英公、イリナ・イオネスコ、ユーサフ・カーシュ、ウーゴ・ムラス、ハーブ・リッツ、ジョック・スタージス、ジョージ・タイス、上田義彦、ジョエル=ピーター・ウィトキン、エドワード・ウエストン、吉川富三、フランセス・マーレイの重量感溢れる写真作品を出品します。 <X氏写真コレクション展II>出品リスト 2011.10.21[Fri] - 10.29[Sat]
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