◆井桁裕子新作展―片脚で立つ森田かずよの肖像 会期=2015年9月15日[火]―9月27日[日] 12:00-19:00 ※会期中無休 人形作家の第一人者として活躍する井桁裕子の人形展を開催します。 新作の人形《片脚で立つ森田かずよの肖像》を中心に、焼き物の作品などを展示します。 ●イベントのご案内 −9月26日(土)17時より井桁裕子さんと作品のモデルとなった森田かずよさんを迎えてギャラリートークを開催します。 ※定員に達したため受付は締め切りました。 ※当日、ギャラリートーク中の17時〜18時の間は予約者以外の方はご入場できませんので、予めご了承ください。 ●作家在廊日のお知らせ 井桁裕子さんは会期中全日13時〜19時の間、在廊予定です。 (16日と22日は18時半まで在廊) 在廊日時は変更となる場合もございますので予めご了承ください。 重度障害者として生まれ、女優・コンテンポラリーダンサーとして表現活動を続ける森田かずよさん。 「私の身体の模型を作ってくれる人はいないでしょうか?」という森田さんの呼びかけから始まって、私は彼女と出会いました。 長くは生きられないと言われたはずのその身体には、華奢でありながら研ぎすまされたような強さがありました。 井桁裕子 1967年生まれの井桁裕子は、1990年代に球体関節人形の制作から始まり、以来、身体をモチーフとした立体表現を〈人形〉として作り続ける作家である。 「人形とは何か」という問題はさておき、井桁はこの十年来、桐の粉を澱粉で練った桐塑(とうそ)という素材をもって、実在する同時代人をモデルに肖像人形の制作を続けてきた。 わけても三人の舞踏家、吉本大輔の肖像《枡形山の鬼》(2007年)、石川慶の肖像《Kei doll》(2010年)、高橋理通子の肖像《加速する私たち》(2012年)は、表現のために身体の自由を自ら封じる舞踏家たちの志向に重ねられるかのように変形された姿で造形された。桐塑での制作には数ヶ月、ときには1年以上の時間を要し、その間作者はモデルと語り合いその世界を共有するため、作品には〈時間〉が織り込まれることになる。 今回発表される新作のモデルは1977年生まれの森田かずよ。森田は二分脊椎症・先天性畸形・側湾症を持って生まれた、義足の女優にしてダンサーである。 これは、森田が「自分の体を立体で見てみたい」という依頼から始まった制作だった。井桁は彼女の希望に応えるべく、骨格も筋肉も違うその身体を理解することに努めるうちに、その特殊な形の身体を、森田の人柄のように正面から取り組む姿勢で造形してみたいという意思が生まれ、試行錯誤が繰り返されたのである。 これまでもずっと作品はモデルの似姿でありつつ、そこには収まりきらないものとしてあったが、今回も同じ身体表現者の肖像でありながら、彼女のありのままの姿の造形へと至り着いた。 森田かずよの肖像人形と向き合うことを通じて、私たちは多くの問いかけとともに豊穣なものを受け取ることになるだろう。 (京谷裕彰/詩人・批評家) ■井桁裕子 Hiroko IGETA(1967〜) 1986年頃より球体関節の人形を制作。1990年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。デザイン会社に勤務後、個人でイラストレーターとして仕事をしつつ作家活動を行なう。 大学在学中から本城弘太郎氏に師事、人形制作を学ぶ。その後、桐塑などの技術をエコール・ド・シモンにて四谷シモン氏に学ぶ。 1996年頃から、実在するモデルの姿をもとにした肖像人形の制作をライフワークとしている。 対象となる人物と交わされた会話、互いの現実との間に生まれるイメージなどを織り込んだ造形を、その都度模索しながら制作する。 2004年「球体関節人形展・dolls of INNOCENSE》(東京都現代美術館)に出品。2006年舞踏+人形《Double-ドゥーブル》公演(ストライプハウスギャラリー/東京)、映画《アリア》(2006年)《ハーメルン》(2012年、ともに坪川拓史監督)のための人形を制作。他にも《あの窓のむこうから〜人形作家の絵と人形展》(2011/ぼらん・どぉる)、《世界創作人形展》(2010/丸善・丸の内オアゾ)、《人・形展》(2006〜2011/丸善・丸の内本店)、《World Dolls》(2008/モスクワ、マネージ広場中央展示ホール)等、ときの忘れもの以外でも多数の人形展に出展している。 <井桁裕子新作展>出品リスト / 9月15日[火]- 9月27日[土]
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