第360回 オノサト・トシノブ展 2024年1月12日(金)〜1月27日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。 |
オノサト・トシノブ(1912-1986)は、日本を代表する抽象画家で、戦前から親友の瑛九とともに前衛美術のパイオニアとして活躍しました。
1940年に制作した作品《黒白の丸》(東京国立近代美術館所蔵)は当時試みられることの少なかった構成主義的内容をもつ作品として注目されました。1953年に瀧口修造の推薦でタケミヤ画廊で初個展を開催。1954年頃から円形が主題となり、やがて朱、黄、緑、紺の4色を基調として、画面全体を覆うモザイク風の方形群から円形が浮かびあがる幾何学的抽象様式を確立。これを「べた丸時代」と呼び、1959年まで続きました。1960年に「べた丸時代」は終わり、大きな円(丸)を精緻な正方形で分割し、埋め尽くす「円の分割時代」が始まります。オノサトはアトリエをほとんど一歩も出ず、時間を忘れて終日絵筆を握る孤高の生活を送り、多くの油彩・水彩を描き続け、 版画作品(リトグラフ、シルクスクリーン)も約200点制作しました。
本展では、1954年の円形へと主題が移る頃の貴重な作品から、フリーハンドで円形を描く「べた丸時代」、円を細かく分割した「円の分割時代」の油彩と水彩を中心に、版画もご覧いただきます。
■オノサト・トシノブ Onosato Toshinobu
1912年長野県生まれ。その後群馬県桐生に移り住む。本名・小野里利信。津田青楓洋画塾に学ぶ。35年黒色洋画展を結成。38年自由美術家協会会員となる(〜56年、以後無所属)。41年に一兵卒として出征、戦後のシベリア抑留を経て48年に帰国後は桐生のアトリエでひたすら円を描き続けた。64年・66年にはベニス・ビエンナーレに日本代表として出品。86年永逝。
展示風景 ※画像をクリックすると拡大します。