小山田二郎

Jiro OYAMADA

1914年中国安東県に生まれる。2歳の時スタージ・ウェバー症候群を発症し、手術するが完治する事は無く次第に下唇が腫れあがり顔中に痣が浮かぶようになる。時と共に変形する顔にコンプレックスを抱き内に篭るようになった。1919年遠縁の日本画家・小堀鞆音から水彩画を学び始める。画家を夢見るが父の強い反対にあい、1934年帝国美術学校図案科（現・武蔵野美術大学）に入学。1935年父に内緒で西洋画科へ転入するが、翌年それを父に知られ援助を絶たれ、中退を余儀無くされる。1945年空襲で千駄ヶ谷のアパートが全焼、描き貯めた全作品を失う。

1947年自由美術家協会に入会（59年退会）。1952年38歳の時に瀧口修造の推薦を受けてタケミヤ画廊で初個展を開催する。1960年代には府中市にアトリエを構えるが、1971年57歳の時に突如失踪し、家族を置いて年下の愛人に奔った。以後の活動は特定の画廊でのみ行い、世間との関わりも希薄化し注目されることも少なくなった。1991年死去。享年77。

空想の世界に生きる異形のものたちや自己の内面を描くその世界は、迫力を持ちながら時にユーモアをも含んでいる。