榎倉康二

Kouji ENOKURA

1941年東京生まれ。美術家。1966年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。1968年同大学院絵画専攻修了。学部時代は山口薫に師事。1967年から作品の発表を開始。1971年パリ青年ビエンナーレでは、バンセンヌのフローラル公園にある2本の松のあいだにブロックを積み、モルタルで塗り込んで壁のように立てた作品『壁』を発表。注目を浴び、留学賞を受賞。「不確定物質」「湿質」「染み」「干渉」「予兆」といったシリーズ作品名は、その物質と身体が感応し合う世界を暗示する。

綿布にオイルを染み込ませるシリーズ、カンバス地や綿布にアクリル絵具を滲（にじ）ませたモノクロームの画面に、異種素材との合体を試みた「Figure」や「干渉」シリーズ、コンクリートを壁状に立ち上げてオイルステインなどを染み込ませた立体作品などが代表的な作品である。1995年、歿。