フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー (1928-2000)
Friedensreich Hundertwasser
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オーストリアの画家、建築家。ユダヤ系チェコ人の母を持つ。ナチスの政策によって親類を失うという過去をもつフンデルトヴァッサーは全体主義的な制度を徹底して否定し個人の自由意志を尊重すべきだという考えに基づいて作品制作を行った。
20歳のときウィーン美術アカデミーで3か月ほど学ぶ。その後画家を志し旅に出た北アフリカで大自然と人との共存を目にする。そのころからすでに彼の絵は明るい色彩が多用され、曲線によって描かれていた。彼の作品には、常に自然との共存という哲学がこめられている。
都市に戻りそこで見た無機質・無彩色の画一的な建築物に違和感を覚えた彼は「血を流す建物」(1952年)で四角い高層建築の壁が赤く傷つき血を流しているような独特の建物を造る。その頃から独自の路線で建築を作ってゆく。
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定規で引いたような直線を否定し自然を愛した彼は、建築でも自然への回帰を唱え、曲線を多用した独自の様式を編み出した。「直線に神は宿らない」という言葉は有名。日本国内では、大阪市扇町公園に隣接するキッズプラザ大阪や、大阪市環境事業局舞洲工場(ゴミ処理場)などを手掛ける。環境問題を意識した多彩な建築活動を行い独自の芸術観や自然観を表現していた。
1981年から母校であるウィーン美術アカデミーの教授をつとめた。2000年、晩年をすごしたニュージーランドへ向かう客船上で死去。
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