1932年に東京生まれる。日本のグラフィックデザイナー、アジアの図像学研究者、神戸芸術工科大学名誉教授。1955年東京藝術大学建築学科を卒業。1956年高島屋宣伝部に入ったが、そのとき制作した「LP JACKET」が第5回日本宣伝美術賞を受賞し、約半年で独立。デザイン事務所を主宰。1961年毎日産業デザイン賞(現・毎日デザイン賞)受賞。1964年〜66年に西ドイツ・ウルム造形大学で二度にわたり指導体験を経て、自らの血脈に宿るアジア的美意識を喚起された杉浦は、“表紙は顔である”とする独自のコンセプトにもとづいて目次や記事内容と響き合う表紙デザインを雑誌で試みる。『SD』『都市住宅』『季刊銀花』がその代表例である。1970年代より縦組による明朝体活字の美しさを引き出すブックデザインを本格的に展開。「第8回東京国際版画ビエンナーレ」や「伝統と現代技術——日本のグラフィックデザイナー12人展」など、印刷システムに精通した杉浦ならではといってよい、特異な製版技術を駆使した意欲的なポスターを発表。1982年文化庁芸術選奨新人賞受賞。1987年〜2002年神戸芸術工科大学教授。2004年に雑誌デザインの集大成「疾風迅雷」展を開催(ギンザ・グラフィック・ギャラリー/東京)し、2005年韓国パジュ、2006年より中国各地(北京、深圳、南京、成都ほか)を巡回。1997年に毎日芸術賞受賞、紫綬褒章受章。2010年より神戸芸術工科大学アジアンデザイン研究所所長。2019年 旭日小綬章を受章。