山田陽のエッセイ「FRESH BREW NEW YORK」 第14回 2012年3月4日 |
現在、アトランタへ向かう飛行機の中です。
2月の中旬からニューメキシコ州を訪れ、ネイティブアメリカンの方達の織物、アクセサリーデザイナー、ターコイズ関連の撮影するという仕事を受けました。 深くさかのぼると自分が高校生の時から興味を持っていたアメリカの文化にとうとう触れられるという事に大変興奮して、撮影に向かいました。 どういう訳か、いままでニューメキシコ州には行った事がなく、初めて見るワイドオープンな風景、すっきりシャープな空気に着いてそうそう魅了されました。 撮影に入り,織物工房、シルバー職人さんへのインタヴューを進めていく中で、素朴で昔ながらのやり方をしっかり続けている職人さん達との交流はなんだかほっとでき、そしてとても勉強になる時間でした。 会話とインタヴューを通じて分かっていく、彼らにまつわる時代の移り変わり、生活習慣、作品を作っていく工程など、本当に興味深いものばかりで、いままで自分の描いていた印象はなんだかすっきり洗い流されたような感覚になりました。 意外なことに日本からのオーダーというものが、ネイティブクラフト、特にアクセサリーとジュエリーに関してはなかなかのパーセンテージをしめているという事でした。 日本の方々が、彼らの文化を尊重しそのものに価値をみいだしているのでしょうか? もしくは、私たちの思い描く、ネイティブアメリカン_インディアンの方達は、だいぶ昔の段階でとまっているのではないでしょうか? 昔ながらの礼服は、何かのしきたりの時にしか着ませんし、ジュエリーなども皆がつけているという訳ではありません。現状は、いろいろと個人差はありますが、私たちが通常、直面している問題などに彼らもしっかり向き合っています。 日本人も丁髷をして、着物をきているというような事はないですし、、。 現状の彼らを知った上でネイティブアメリカンの古い文化やクラフトに触れる事が、より素敵にそのものを身につけることができるでは? もしくは外見だけでにわかアメリカンインディアンを装うかは、それを受け入れる側にまかされていますね。 こんな物も情報も溢れている世の中で本質を学び取り入れていく事がやはり僕は素敵な気がします。 それは彼らの文化を学ぶ事に繋がることですから。 (やまだ あきら) ■山田陽 Akira YAMADA 神奈川県川崎市に生まれる。文化服装学院でファッションデザインを学ぶ。1998年渡米。ニューヨークで6年間ブティック、レストラン、プライベートパーティのために高級フラワーアレンジメントを提供するフローラルデザイナーとして活躍。2004年その創造的な関心は「写真」に向けられた。 ポートレートやルポルタージュが『ヴォーグニッポン』や『ヴォーグチャイナ』、『マダムフィガロ』、『ハーパースバザージャパン』、『ウィメンズウェアデイリージャパン』、『カーサブルータス』、『メンズノンノ』、『ギンザ』、『ポパイ』に掲載される。 ポートレートやルックブック(スタイル見本)を撮影し、「デレク・ラム」や「3.1 フィリップ・リム」、「トッズ」、「バンドオブアウトサイダーズ」などのファッション会社と仕事をする。 ファッションやデザインをあらためて学んだことで、どんなものにも美しさを見出し、洗練されたイメージを創り出すようになる。記録や探検、そして、他の文化からインスピレーションを得るために世界を旅する。現在、ニューヨークを拠点に活動。 作者公式サイト http://www.akirayamada.com/ 「山田陽のエッセイ」バックナンバー 山田陽のページへ |
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