村野藤吾の建築−模型が語る豊饒な世界
目黒区美術館
会 期:2015年7月11日(土)〜2015年9月13日(日)
時 間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般800円、大高生・65歳以上600円、小中生無料
村野藤吾さん(1891-1984)の建築模型約80点が展示されているということで、目黒区美術館に行ってきました。
会場のパネルに私が大学在学中に教わった木村博昭先生の名前を発見!模型は京都工芸繊維大学・木村博昭・松隈洋研究室の所蔵となっていました。京都工芸繊維大学の教授をされていることは伺っていましたが、お名前を拝見して嬉しくなりました。
1階に展示されてある5つの模型は撮影可ということで、写真を撮ってきました。
読売会館・そごう東京店(現・読売会館・ビックカメラ有楽町店 1957年 現存
先日ちょうどビックカメラ有楽町店前を通ったので、撮ってきました。
日本生命日比谷ビル(日生劇場) 1963年 現存
千代田生命本社ビル 現・目黒区総合庁舎 1966年 現存
森五商店東京支店(近三ビルヂング) 1931年 現存
日本興業銀行本店 現・みずほ銀行本店 1974年 現存
模型は、1999年より京都工芸繊維大学の院生・学部生たちが設計原図を読み解き、作り続けてきたものだそうです。細かいディテールまでもきちんと再現されており、とても大学生が制作したとは思えないクオリティーの高さに感動しました。(私が学生のときはこんな美しく作れなかった!糊がはみ出たり、柱が曲がったり・・・)
1階の展示室にある建物は、直線が印象的な規則正しく端正なデザインでしたが、2階の展示室にある初期の教会や個人の美術館の模型を見ると、もっと自由な造形をした建築も多く、その多様なデザインはとても同じ建築家が設計したとは思えない印象を受けました。
また、実現しなかった建築模型も多数あり、指名コンペだった[東京都庁舎]の計画案(実現せず)の模型も展示されていました。低層の計画だったので、とても新鮮に感じました。
一番すごいと思った模型は[中山悦治邸]で、外壁のモザイクタイル仕上げを見事に表現しています。気が滅入るような作業だと思いますが、制作者は試行錯誤して制作したようです。行かれる方は、目を凝らしてご覧下さい。
9月13日(日)までですので、お時間に余裕があるとき(全部見るのにかなり時間がかかりますので!)に行かれてみてはいかがでしょうか。
夏期休暇に広島に行ったので、村野藤吾建築[広島世界平和記念聖堂(カトリック幟町教会)]を拝見してきました。ステンドグラスがチャーミングで心が落ち着く素敵な空間でした。
(おだちれいこ)
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