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建築を訪ねて

石山修武のドローイングと建築
2015年11月


ときの忘れものでは「建築家のドローイング展」を開催中です。
本日ご紹介するのは、石山修武のドローイングです。


石山修武 Osamu ISHIYAMA
《それでもあるユートピア》
2004
紙・水彩・他
57.0×76.0cm
signed

1970年代に「婆娑羅」という会を結成し、建築界のゲリラとして暴れまわったのが石山先生たちでした。

毛綱モン太、石井和紘、石山修武、そして六角鬼丈である。後年、と言いたいところだが、出会ってすぐに血気盛ん、と言うよりも早く早く成り上がりたいの気持が強かった我々は「婆娑羅」の名を冠したグループを結成した。気持ちだけは「メタボリズム」グループに対抗してやれとの意気があった。当時華の中の華であった黒川紀章、菊竹清訓のスター達に、背伸びしてでも立ち向かってやれのヤクザ言葉で言えば鉄砲玉みたいな連中ではあった。
(石山修武 スタジオGAYA日記より>

かく広言する建築家が本業の設計をするだけでなく、書いては名文をものし、あるときには終日銅版に不思議なイメージを刻み続ける。そんなひとが描く絵が面白くないはずがありません。

■石山修武の建築

[伊豆の長八美術館]
1984年竣工
静岡県松崎町
撮影:綿貫不二夫

松崎町は、江戸から明治にかけて活躍した左官職人「伊豆の長八」の作品が多くあり、それらを記念して作られた美術館です。
全国から長八の神業を継承する有能な技能者が集まり、現代左官技能の粋をつくしてつくられた[伊豆の長八美術館]は、1985年の吉田五十八賞を受賞しました。


[観音寺]
1996年
東京、早稲田
撮影:綿貫不二夫

石山先生の母校早稲田大学のすぐ近くにある寺院「真言宗豊山派 観音寺」です。住職の荒川達雄さんによると、本殿内の天井は雲をイメージしており、美術館のような風貌が漂っているそうです。

[世田谷村]
2001年竣工
東京
撮影:尾立麗子

建築家・石山修武の自邸兼設計事務所。4本の柱で支えられた半月状の大梁から床を吊るという構造になっています。
基本的な構造部以外は石山先生がセルフビルドでつくっており、2001年竣工となっていますが、未だ進行中です。版画制作や展覧会の打合せはこの1階で行うのですが、蚊取り線香必携です(笑)。


2006年某月某日
ときの忘れものにて
描く建築家





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