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建築を訪ねて

磯崎新設計のお寿司屋さん
淵上正幸
2016年05月

建築ジャーナリストの淵上です。
週末福岡へ講演に出かけ、長年待ち望んでいた磯崎新設計の話題の寿司屋「やま中」に参上しました。夜はひとりウン万円というアルヴァ・アアルトの「レストラン・サヴォア」級の寿司屋なので、福岡在住の旅行仲間とお昼に決めました。


RC打放しにガラス開口部のシンプルな造り。僕が立っているエントランス・ポーチの左側のガラス・キャノピーの下から入ります。僕たちの2階の予約席は一番いい部屋だと予約した仲間が太鼓判を押してくれました。

 


外壁はRC打放しでシンプル
Photos: cSynectics. Inc.



 
僕がいるのはエントランス・ポーチ
Photos: cSynectics. Inc.


4畳半の茶室で床の間は鉛の壁!さらに宮脇愛子さん(彫刻家&故磯崎夫人)の掛け軸という超豪華なつくり!食べる前から圧倒されっ放し。寿司がうまいのは当たり前でしたが、帰りに1階カウンターの板前さんと話したら、磯崎さんはたまにひとりでふらっと来るそうです。オープンしてから19年、福岡話題の寿司どころは話題の建築どころでもありました!(Photos: cSynectics. Inc.)



1階カウンター上部の照明デザインも宮脇さん
Photos: cSynectics. Inc.


2階茶室の床の間の掛け軸も宮脇さん
Photos: cSynectics. Inc.

(ふちがみ まさゆき)
淵上正幸
建築ジャーナリスト&コーディネーター


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建築ジャーナリストの淵上正幸さんから送られてくるメルマガは世界各地の建築の最新情報から、普段はなかなか入れない場所への潜入記など建築好きにはたまらない記事が惜しげもなく掲載されています。
亭主もまだ入ったことのない磯崎先生設計のお寿司屋さん、淵上さんにご許可をいただき全文を転載させていただきます。

●今日のお勧めは磯崎新の木版画「Folly」連作3点です。
建築家として知られる磯崎新先生が、1970年代から精力的に版画制作を行なっていることは、磯崎ファンなら周知のことでしょう。私たちが版元として(現代版画センター、ときの忘れもの)直接エディションしたものだけでも二百数十点を数えますが、その他に海外のエディションや、磯崎新先生が展覧会やコンペに出品するために制作された版画作品(たとえば、師の丹下健三に敗れた東京都庁舎のコンペ出品作品はシルクスクリーンによる作品でした)などを加えると、おそらく四百点近い数になるはずです。
この「FOLLY-SOAN(草庵)」連作は、珍しい木版画です。伝統的な浮世絵絵画の制作システムを使い、彫と摺りは版画家として活躍する三塩英春先生が担当しています。
この「FOLLY-SOAN(草庵)」を磯崎先生が構想されたひとつのきっかけは、親交のあったジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻に茶室(草庵)の設計を依頼されたことでした。結局それはジョン・レノンが暗殺されたことにより実現しませんでしたが、そのイメージが版画作品として遺されることになったわけです。
「FOLLY-SOAN 1」は雨のシーンですが、磯崎先生の好きな広重の東海道五十三次の影響がみてとれます。そして内観はモンドリアン空間です。この連作はアメリカで発表されたため、日本ではほとんど見かけません。

磯崎新
「FOLLY-SOAN 1」
1984年
木版
イメージサイズ:54.0×74.0cm
シートサイズ:57.0×76.0cm
Ed.50
サインあり


磯崎新
「FOLLY-SOAN 2」
1984年
木版
イメージサイズ:30.0×37.2cm
シートサイズ:57.0×76.0cm
Ed.50
サインあり


磯崎新
「FOLLY-SOAN 3」
1984年
木版
イメージサイズ:46.5×19.5cm
シートサイズ:57.0×76.0cm
Ed.50
サインあり




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