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建築を訪ねて

磯崎新+アニッシュ・カプーア「アーク・ノヴァ」が東京ミッドタウンに登場
尾立麗子
2017年10月

先日植田実先生と綿貫さんと令子さんと私の4人で、東京ミッドタウン芝生広場に現れた移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」に行き、「ルツェルン・フェスティバル」を鑑賞してきました。

アーク・ノヴァは、磯崎新先生とアニッシュ・カプーアさん制作によるもの。
ドーナツ状に膨らんだ紫色のそれは高さ18m、幅30m、奥行36mの大きさで、滑り台として遊べそうな大きな遊具にも見えます。これがコンサートホールだなんて、想像もつきません。一体この構造はどうなっているのだろう???と興味をそそります。



 



「アーク・ノヴァは、塩化ビニールでコーティングされたポリエステル製の膜が1時間ほどの送風でドーム状に膨らみ、折り畳んで トラックで輸送できるように設計されている空気膜構造の建築です。
空気膜構造の外皮は輸送に適した軽量性を持った素材であり、同時に自由な形状をとることができます。ステージや客席などのホールの構成要素は輸送・再設営に配慮した規格で構成され、494名収容できるこのホールでは、2013年から2015年にかけて、松島、仙台、福島の3か所で展示され、コンサートやワークショップなどが行われました。」(TOKYO MIDTOWN HPより引用)

 



内部空間はピンク色で、まるで胎内にいるような感覚。照明の数はそんなにありませんが、中は結構明るいです。

空気はどこから入っているのかと一周してみると、会場の裏に送風機がありました。
それにしても風だけでこの大きさのものを膨らまし、約2週間維持するのは簡単なことではないはずです。
風で少しは撓んだりするのかな?と思っていましたが、かなりパンパンに張っているように見えました。





この日はピアノ、フルート、トランペット、トロンボーンの4名の奏者で行なわれたコンサートでした。音響はどうなのかな?と気になっていましたが、それぞれの音がドーナツ状の内部空間に充満し、心地よく響いていました。

会場内は暑いという噂もありましたが、私たちが訪ねた日は曇り空で少し肌寒い日だったため、快適に1時間ほどを過ごしました。

この不思議な空間を体験でき、記憶に残るひと時を過ごせました。

おだち れいこ

磯崎新+アニッシュ・カプーア「アーク・ノヴァ
「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017 in 東京ミッドタウン」
開催期間:9月19日(火)〜10月4日(水)
場所:ミッドタウン・ガーデン 芝生広場
主催:東京ミッドタウン
特別協力:ルツェルン・フェスティバル
ラテン語で「新しい方舟」を意味する「アーク・ノヴァ」は、スイスの音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」が東日本大震災の復興支援のために企画し、 建築家の磯崎新と英国人彫刻家のアニッシュ・カプーアによって制作された移動式のコンサートホール。高さが18m、幅30m、奥行36mと巨大であり、494名を収容することができる。塩化ビニールでコーティングされたポリエステル製の膜は送風によってドーム状に膨らみ、 折り畳んでトラックで輸送できるように設計されている点が特徴だ。
「アーク・ノヴァ」は、2013年から2015年にかけて、松島、仙台、福島の3か所で計3回展示されており、コンサートやワークショップで延べ1万9千人を動員してきた実績がある。



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