ときの忘れもの ギャラリー 版画
ウェブを検索 サイト内を検索
   

建築を訪ねて

「中心のある家」阿部勤邸を訪ねて
新人スタッフ
I
2018年05月

 


だいぶ暖かくなり新緑茂る4月下旬、建築家の阿部勤先生の自邸を訪問しました。ときの忘れものの現ギャラリーの建物を設計してくださった先生です。
 阿部邸(中心のある家)は名建築として有名で、昨年、東京国立近代美術館で開催された「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」(2017年7月19日―10月29日)にも出品されていたのでご存知の方も多いと思います。
1975年から現在までに100を超える取材がコンスタントにあったというこの建物はその建設から今まで変わることなく人々を魅了してきたのでしょう。ではなぜこれまでに人をひきつけるのか、他のいわゆるデザイナーズ住宅というものとの違いなどがあるのか、またあるとしたらそれはどこなのか。好奇心と探求心を手土産にお宅にお邪魔してきました。

 
これが阿部邸平面図。この建物は1-2階はコンクリート造で2階の途中から木造になっている「混構造」だそうです。


コンクリートのシックな壁に木彫りの扉(タイから運んだとか)が映えます。扉を開けてくれる阿部先生。玄関から階段が近くすぐに2階へ上がれます。

 
2階の作業スペースと奥にはベッド。


窓から空と緑が見える開放的な空間。大人5人が部屋を探索。それでも狭い印象を与えないのは大きな窓があるから。


ここにも空と緑が。


中心部。中3階のような部屋。


ここから作業スペースを見下ろせます。ちょっとした隠れ家的な雰囲気だけれどこの建物の中心。


階段をおりて1階へ。片側に手すりも壁もない開放的な階段スタイルはときの忘れものギャラリーの玄関階段を思わせます。


リビングの家具も木材が多い。


そしてこれがかのペニンシュラキッチン。半島のように突き出したキッチンはとても使い勝手がいいです。実際、この日キッチンを拝借し料理をしたのですが動線が短くて作業効率があがるような作りになっています。


植田実先生もゆったり。


1階から天井を見上げるとこの明るさ。2階をつきぬけそのまま屋根裏が見えます。光と緑がうまく配置されていてこんなところにも設計者である阿部先生の緻密な技が垣間見えます。


建物に興味津々な植田先生と奥で料理の準備をし始める尾立さん

下の写真、壁面を飾っているのは植田実先生の写真作品「プラハ Praha, Czech Republic



ここで阿部先生がハモンセラーノを振舞ってくれました。もちろんペニンシュラキッチンを利用しています。


阿部先生に紹介していただいた本に没頭する面々。

 
阿部先生のお料理はシンプルで飽きない素材をいかしたもの。まるで家そのもの。


庭は人工的な手入れを感じさせない素朴なつくり。


外に休憩スペースがあります。

 まだまだ紹介しつくせない素晴らしい設備や、えっと驚くようなオブジェのコレクションなどが多数あります。有名デザイナーが設計した住宅となればどんな洒落たものなのかと都会の高層マンションを思い浮かべていましたが阿部邸にて感じたことは小洒落たトレンド重視の空間ではなくむしろシンプルでナチュラルな飾り気のない空間がどれほど心地よいのか、ということです。日光や木々、土といった自然をありのまま取り入れた住居は誰もにふるさとのような温かみを感じさせるでしょう。だからかとても居心地が良いです。「中心のある家」とされるこの住宅は「心もある家」なのではないかと思いました。そしてそれは設計者である阿部先生がこの建物に命を吹き込み続けているからこそ、と思いました。40年近く取材を受け続ける阿部邸の魅力に少し触れたような気がします。でもきっと今回だけでは私が知りえなかった顔がこの住居にはまだまだ隠されているのでしょう。
 5月12日にはこの住居が使われた映画「蝶の眠り」が公開されます。キャストに名を連ねることが出来そうないい役者になると期待しつつその計り知れない魅力をもつ住居を映画館で堪能するつもりです。


最後に撮った集合写真。たまたまか皆ラフな格好でこの阿部邸にマッチしています。左から新澤さん、尾立さん、植田実先生、綿貫さん、そして阿部勤先生。


(文と写真は新人スタッフのいたみちはる)



「建築を訪ねて」バックナンバー

ときの忘れもの/(有)ワタヌキ  〒107-0062 東京都港区南青山3-3-3 青山CUBE 1階
Tel 03-3470-2631  Fax 03-3401-1604
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/

営業時間は、12:00〜19:00、日曜、月曜、祝日は休廊
資料・カタログ・展覧会のお知らせ等、ご希望の方は、e-mail もしくはお気軽にお電話でお問い合わせ下さい。
Copyright(c)2005 TOKI-NO-WASUREMONO/WATANUKI  INC. All rights reserved.