アンセル・アダムス

Ansel ADAMS

1902年アメリカ、サンフランシスコ生まれ。幼少の頃から西部の自然と写真に親しみ、14歳のとき初めてカメラを手にしてヨセミテ渓谷を撮影する。最初ピアニストを目指していたが、1930年にポール・ストランドと出会って写真家になることを決意。1932年、ストレートな写真技法による純粋な写真芸術を追求する運動体「f/64」をエドワード・ウェストン、イモージン・カニンガムらと共に結成する。大型カメラにより対象を精密に写しとり、写真技法をつくしてプリント再現する、いわゆる「ストレート・フォトグラフィー」を提唱。

1936年には個展を開催。作家としてのみならず、ニューヨーク近代美術館やカリフォルニア美術学校での写真部門の設立などにも尽力し、写真文化に多大な貢献を行なう。1941年、光の状態を最大限に表現するため、撮影からネガの現像、そしてプリントまでのトータルな写真制作法として「ゾーン・システム」を発表。中間トーンを最もきれいに再現するこの技術から生まれたオリジナルプリントは非常に高いクオリティーを持っている。また、1934年から1971年まで、自然保護団体「シエラ・クラブ」の中心的存在として環境保護活動に熱心に関わった。1984年、歿。