第346回 塩見允枝子+フルクサス 2022年9月2日[金]〜9月17日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊 ※画像をクリックすると拡大して表示されます。 |
本展では、塩見允枝子(b.1938)の《スペイシャル・ポエムへの招待状セット》や、様々な音楽が入ったCD の破片が散りばめられた〈夢見るための枕〉シリーズ、音楽的コンセプトが各小瓶の中に詰まった《音楽の小瓶 #1〜#14》など約30点の作品を展示します。吹き抜けには、それぞれの星座を観測するための窓を作成した連作〈星座を観るための窓〉10点をご覧いただきます。 『塩見允枝子+フルクサス SHIOMI Mieko+FLUXUS』限定版カタログ刊行 執筆:塩見允枝子「フルクサスの回想」「主要作品解説」 編集・デザイン:柴田卓 写真:Colla: J 塩野哲也 資料作成:尾立麗子、松下賢太 翻訳:新澤悠、勝見美生 体裁:サイズ24.0cm×16.0cm、110頁、日本語・英語併記 発行:ときの忘れもの ・塩見允枝子/作品点数:30点 図版点数:46図 挿図:12図(日英) ・フルクサス/9作家・作品点数:28点 図版点数:47図 (ジョージ・マチューナス、ナム・ジュン・パイク、靉嘔、斉藤陽子、アレン・ギンズバーグ、ジョナス・メカス、ヨーゼフ・ボイス、マース・カニングハム、ジョン・ケージ) ●アタッシェケース入り特装版(限定35部) A)カタログ本体限定番号入り、サイン入りはがき B)「マチューナスへの鎮魂曲」オリジナルカセットテープ C)同曲の塩見允枝子自筆譜面コピー(限定35部) D)収納用アタッシェケース(26.5×21.0×10.0cm) ●限定版(365部) A)カタログ本体限定番号入り 塩見允枝子は1963年にナム・ジュン・パイクにマチューナスを紹介され、1964年マチューナスの招きでニューヨークへ渡り、フルクサスに参加します。1965年に航空郵便による「スペイシャル・ポエム」のシリーズを開始。「スペイシャル・ポエム」は、地球を一つのステージと考え、招待状を受け取った世界各地の人々が同じイヴェントをそれぞれの日常の中で行ない、その報告を送ってもらって世界地図の上に編集して送り返すというイヴェントです。最初は〈ことばのイヴェント〉から始まり、〈落下のイヴェント〉〈影のイヴェント〉〈開くイヴェント〉など、10年間に9つのイヴェントを行ないました。1976年に全ての報告をまとめた全集『SPATIAL POEM スペイシャル・ポエム』(自家版)を刊行。又、2022年7月に開催された国際芸術祭「あいち2022」に選ばれ、新作となる『スペイシャル・ポエム:移動のイヴェント』(2022年版)が展示されました。 「フルクサス」はリトアニア生まれのデザイナージョージ・マチューナスが提唱した前衛芸術運動で、1962年から活動がはじまり、多くの作家を巻き込みました。日本からはオノ・ヨーコ、塩見允枝子、久保田成子、斎藤陽子の4人の女性アーティストが参加したことも印象的です。 活動内容は、音楽、詩、美術、映画、演劇など数々のメディアを横断するもので、マチューナスを中心に、イヴェントの開催やマルチプルの制作、フルクサス新聞の発行など、人種や国境を越えて広く世界で展開されました。《フルクサス1》《フルクサス・イヤー・ボックス》《フルックスキット》など、フルクサスのアーティストの作品をボックスにまとめて、エディションを作り出版するなど、フルクサス独自の形で作品を世に送り出したのも大きな特徴です。1978年にリーダーのマチューナスが亡くなった後も、フルクサスに関する展覧会が各地で開催されるなど、その活動や作品は現在でも注目されています。 ■塩見允枝子 SHIOMI Mieko (b.1938) 岡山市生まれ。1961年東京芸術大学楽理科卒業。在学中より小杉武久氏らと「グループ・音楽」を結成し、即興演奏やテープ音楽の制作を行う。1963年ナム・ジュン・パイクによってフルクサスに紹介され、翌年マチューナスの招きでニューヨークへ渡る。1965年航空郵便による「スペイシャル・ポエム」のシリーズを開始し、10年間に9つのイヴェントを行う。一方、初期のイヴェント作品を発展させたパフォーマンス・アートを追求し、インターメディアへと至る。1970年大阪へ移住。以後、声と言葉を中心にした室内楽を多数作曲。 1990年ヴェニスのフルクサス・フェスティヴァルに招待されたことから欧米の作家達との交流が復活。 1992年ケルンでの「FLUXUS VIRUS」、1994年ニューヨークでのジョナス・メカスとパイクの共催による「SeOUL NYmAX」などに参加すると同時に、国内でも「フルクサス・メディア・オペラ」「フルクサス裁判」などのパフォーマンスや、「フルクサス・バランス」などの共同制作の視覚詩を企画する。 1995年パリのドンギュイ画廊、98年ケルンのフンデルトマルク画廊で個展。その他、欧米での幾つかのグループ展への出品やエディションの制作にも応じてきた。 2012年東京都現代美術館でのトーク&パフォーマンス「インターメディア/トランスメディア」で、一つのコンセプトを次々に異なった媒体で作品化していく「トランスメディア」という概念を提唱。 音楽作品やパフォーマンスの他に、視覚詩、オブジェクト・ポエムなど作品は多岐にわたり、国内外の多くの美術館に所蔵されている。現在、京都市立芸術大学・芸術資源研究センター特別招聘研究員。 |
出品作品紹介 |