◆第24回瑛九展 瑛九と瀧口修造
会期=2013年10月26日[土]―11月2日[土] 12:00-19:00
※会期中無休
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左:瑛九《いじわる》
1953
エッチング(ファーストステート)
36.2×26.8cm
サインあり
右:瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』
限定50部
1954年
アイデア:久保貞次郎
編集:福島辰夫
表紙デザイン・レイアウト:山城隆一
挿絵:北川民次、瑛九、泉茂、加藤正、利根山光人、青原俊子(内間)
限定1/50〜6/50の各号には、6作家のオリジナル・デッサンがそれぞれ一葉づつ挿入
瀧口修造、北川民次、久保貞次郎、福島辰夫のサインあり |
ときの忘れものでは1996年に第1回瑛九展を開催して以来、今回で24回目となります。
本展では、瑛九とその理解者の一人であった瀧口修造(没後は瑛九の会の呼びかけ人となる)との関係にスポットをあてます。
瀧口は、美術評論家・詩人として知られますが、タケミヤ画廊で瑛九らの展覧会を企画し若い作家をサポートする一方、自らデカルコマニーなど作品を制作しました。
また1954年には久保貞次郎・福島辰夫らによって瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』が刊行されました。
この詩画集には、瑛九はじめ、北川民次、泉茂、加藤正、利根山光人、青原俊子(内間)が挿画を制作し、デザイン・レイアウトは山城隆一が担当しました。
本展では、瑛九の油彩、水彩、版画とともに、詩画集『スフィンクス』を展示いたします。
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瑛九(1911-1960)
1911年宮崎生まれ。本名・杉田秀夫。15歳で『アトリヱ』『みづゑ』など美術雑誌に評論を執筆。36年フォトデッサン作品集『眠りの理由』を刊行。37年自由美術家協会創立に参加。既成の画壇や公募団体を批判し、51年デモクラート美術家協会を創立。靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、細江英公ら若い作家たちに大きな影響を与えた。油彩、フォトデッサン、版画などに挑み、独自の世界を生み出す。60年48歳で永逝。
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瀧口修造(1903-1979)
詩人、美術評論家。シュルレアリスムの理念を体現し、戦前・戦後を通じ日本における前衛芸術運動の理論的・精神的支柱として、多くの芸術家の活動を鼓舞し続けた。内外の造形作家と詩画集を共作したほか、自らも多数の造形作品を残している。1903年、富山県に生まれる。幼少期からウィリアム・ブレイクに傾倒し、慶應義塾大学英文科在学中に、西脇順三郎を通じてシュルレアリスムを知り、『シュルレアリスム宣言』、『磁場』などに影響され、実験的な詩的テクストを発表するとともに、ブルトン『超現実主義と絵画』を全訳した。31年に卒業後、映画製作所PCL(東宝の前身)にスクリプターとして勤務する傍ら、美術評論活動を開始した。海外のシュルレアリストたちと文通を続け、ブルトンやエルンスト、ダリの著作などを翻訳・紹介、37年には山中散生とともに「海外超現実主義作品展」を開催した(記念出版『アルバム・シュルレアリスト』も編集)。「超現実造型論」「前衛芸術の諸問題」などの美術評論だけでなく「写真と超現実主義」「物体と写真」などの写真評論も執筆し、画壇に属さない前衛美術家・写真家たちの研究・発表グループを理論的に指導した。しかしこうした活動は、国際共産主義運動に関係する危険なものと見なされて、41年春から7ヶ月余り特高によって拘留され、中断を余儀なくされた。戦後は読売新聞などに多くの美術評論を発表し、時代を代表する美術評論家として活動した。タケミヤ画廊の企画を委嘱され、208回に及ぶ展覧会を開催して、多数の若手美術家に発表の機会を設ける一方、51年に結成された「実験工房」の活動にも顧問格として関与するなど、清廉な人柄も相俟って影響力は絶大であった。58年、ヴェネチア・ビエンナーレのコミッショナーとして訪欧、イタリアの彫刻部門の代表だったフォンターナを高く評価して絵画部門で票を投じた後、欧州各地を訪問し、ブルトン、デュシャン、ダリ、ミショーらと面会した。帰国後、時評的な美術評論の発表が減少する一方、展覧会序文などの私的な執筆が増加した。公的な役職を辞任する反面、赤瀬川原平の「千円札事件」(65〜70年)では特別弁護人を積極的に引き受けている。ミロ、サム・フランシスなど、多くの造形作家と詩画集を共作したほか、自らもドローイング、水彩、デカルコマニー、バーント・ドローイング(焼け焦がした水彩)、ロトデッサン(モーターによる回転線描)などの、独特な手法の造形作品を制作し、個展も数回開催している。67年には戦間期の詩的テクストを集成した『瀧口修造の詩的実験 1927〜1937』を刊行した。夢の記録の形をとった散文作品や、諺のような短いフレーズの作品も残している。自ら構想したコンセプチュアルな「オブジェの店」に対して、上記の訪欧後も文通を続けていたデュシャンから「ローズ・セラヴィ」の名を贈られた。この返礼に『マルセル・デュシャン語録』を刊行(68年)、その後もデュシャン研究を継続し、「大ガラス」の一部を立体化したマルティプル『檢眼圖』も制作している(東京ローズ・セラヴィ、77年。造形作家岡崎和郎との共作)。79年に心筋梗塞のため没した。
<第24回瑛九展 瑛九と瀧口修造>出品リスト 2013.10.26[Sat] - 11.2[Sat]
No.
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Image
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Artist |
Title |
Date |
Medium |
Measurement |
Ed.
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Sign |
1
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瑛九 |
《白い朝(仮)》 *レゾネNo.520 *『瑛九作品集』(日本経済新聞社、1997年)121頁所収 |
1957 |
油彩 |
45.0×52.7cm |
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サインあり |
2
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瑛九 |
《風景》 |
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板に油彩 |
23.7×33.0cm (F4) |
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サインあり |
3
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瑛九 |
《作品》 |
1959 |
ペンデッサン |
イメージサイズ:
28.5×18.0cm
シートサイズ:
35.1×24.9cm |
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ペンサインあり |
4
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瑛九 |
《朝》 |
1958 |
紙に水彩 |
33.0×25.0cm |
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サイン及び年記あり |
5
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瑛九 |
《カザリ》 *レゾネNo.51 |
1956 |
リトグラフ |
36.0×24.5cm |
Ed.8
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都夫人の裏書あり |
6
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瑛九 |
《鐘のひびき》 *レゾネNo.109 |
1957 |
リトグラフ |
38.0×26.0cm |
Ed.20
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スタンプサインあり |
7
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瑛九 |
《飛ぶ》 *レゾネNo.100 |
1957 |
リトグラフ |
40.0×27.0cm |
16/50
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鉛筆サインあり |
8
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瑛九 |
《離陸》 *レゾネNo.94 |
1957 |
リトグラフ |
32.0×21.0cm |
22 (E.A.)
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鉛筆サイン、及び年記あり |
9
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瑛九 |
《いじわる》 *都夫人私家版銅版レゾネNo.144 *林グラフィックプレスNo.16 |
1953 |
エッチング (ファーストステート) (自刷り) |
36.2×26.8cm |
Ed.1
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鉛筆サイン、及び年記あり |
10
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瑛九 |
《花びん》
*林グラフィックプレスNo.168 |
1952 |
エッチング (自刷り) |
7.6×5.3cm |
Ed.1
(又は数部)
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鉛筆サイン、及び年記あり |
11
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瑛九 |
《愛の鳥》 *都夫人私家版銅版レゾネNo.186 *林グラフィックプレスNo.214 |
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エッチング (自刷り) |
15.0×9.0cm |
Ed.5
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鉛筆サイン、及び年記あり |
12
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瑛九 |
《よろこび》 *林グラフィックプレスNo.127 |
1951 |
エッチング (自刷り) |
14.3×7.4cm |
Ed.1
(又は数部)
|
鉛筆サイン、及び年記あり |
13
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瑛九 |
《作品》 |
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吹き付け |
イメージサイズ: 35.5×31.2cm
シートサイズ: 39.7×31.2cm |
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両面にスタンプサインあり |
14
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瑛九 |
《散歩》 *『瑛九作品集』(日本経済新聞社、1997年)151頁所収 |
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フォトデッサン |
イメージサイズ: 54.0×42.8cm
シートサイズ: 54.0×42.8cm |
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裏面に瑛九夫人のサインあり |
15
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瑛九 |
"kiss" |
1950 |
フォトデッサン |
28.0×22.5cm |
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サインと年記あり |
16
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瑛九 |
《作品》 |
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フォトデッサン |
29.5×23.3cm |
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17
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瑛九 |
《作品》 |
1950 |
フォトデッサン |
30.0×24.7cm |
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サインと年記あり |
18
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瑛九 |
《面影》 |
c.1936 |
フォトデッサン、ペン |
29.0×22.6cm |
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裏に瑛九夫人(都)のサインあり |
19
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瀧口修造 |
《作品》 |
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デカルコマニー |
19.5×13.5cm |
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20
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瀧口修造 |
《作品》 |
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デカルコマニー |
19.8×13.6cm |
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21
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瀧口修造 |
《作品》 |
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デカルコマニー |
19.8×13.7cm |
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22-28
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瀧口修造の詩による版画集
『スフィンクス』
限定50部 (1/50)
1954年
アイデア:久保貞次郎
編集:福島辰夫
表紙デザイン・レイアウト:山城隆一 |
22
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瑛九 |
《素描》 |
1954 |
鉛筆、コンテ |
イメージサイズ: 23.7×19.5cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
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鉛筆サインあり |
23
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北川民次 |
《地球創造説》 |
1954 |
銅版 |
イメージサイズ: 8.8×6.8cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
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版上サインあり |
24
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瑛九 |
《五月のスフィンクス》 |
1954 |
銅版 |
イメージサイズ: 17.7×11.7cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
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鉛筆サインあり |
25
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泉茂 |
《睡魔》 |
1954 |
銅版 |
イメージサイズ: 16.8×14.2cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
|
鉛筆サインあり |
26
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加藤正 |
《岩石は笑った》 |
1954 |
銅版 |
イメージサイズ: 11.8×12.0cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
|
鉛筆サインあり |
27
|
|
利根山光人 |
《妖精の距離》 |
1954 |
リトグラフ |
イメージサイズ: 18.7×19.5cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
|
鉛筆サインあり |
28
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青原(内間)俊子 |
《魚の距離》 |
1954 |
木版 |
イメージサイズ: 16.2×15.6cm
シートサイズ: 29.5×48.0cm |
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鉛筆サインあり *別紙に刷られたものを右ページに貼り付け |
29
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瑛九 |
《鳥と動物》 *林グラフィックプレスNo.14 |
1951 |
エッチング (自刷り) |
28.5×24.0cm |
Ed.1
(又は数部)
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展示風景
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