建築を訪ねて建築都市・弘前を訪ねる前川國男、洋風建築、温泉の弘前ツアー 2005年10月23日(日)〜25日(火) |
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江戸から、明治、大正、昭和、平成の各時代の名建築が残る青森県弘前市は日本有数の建築博物館です。
特に前川國男の処女作から晩年までの8件の建築作品があり、近代建築をリードした巨匠の足跡を辿ることができます。 植田実さんをナビゲーターに紅葉の弘前を訪ねました。 ■10月23日(日)
■10月23日(日)
《オプションツアー》
■10月25日(火)
皆さまこんにちは。そして何より、今回の弘前建築ツアー、建築座談会へご参加頂いた皆々さま、わざわざ弘前へおこし頂き、また当石場旅館にご宿泊頂き、まことにありがとうございました。 今回のツアー、座談会での至らない点、お見苦しい点など、多々あったかと思いますが、建築に関しては全くの素人である私が企画したもの、ご了承の程宜しくお願い申し上げます。 さて、今回のツアーの話自体が持ち上がったのは、まだまだ余寒厳しい3月、弘前で開催された今和次郎展に併せて来弘された、画廊「ときの忘れもの」の綿貫さんご夫妻が「弘前は建築都市だ」と言われたのがそもそもの発端です。確かに弘前という町は、戦災に遭わず、江戸初期から、明治、大正、そして近現代の建物が狭いエリアに点在している町ではありますが、かと言って「建築都市」という表現は、私を含めて地元の人間には思いもよりませんでした。それからしばらくの間、ツアーのことを気にしつつも、私の怠慢で話しは頓挫し、幻の企画となるかと危ぶまれましたが、「ときの忘れもの」の若手新人スタッフ尾立麗子さんとのツアーに関する事務連絡が頻繁になって、結果的に私の尻に火をつけられる形となりました。 実は、当初は建築ツアーだけを予定していたのですが、「ときの忘れもの」からツアー参加リストを見せてもらった際に、日本の建築界に多大な影響を与え続けている植田実先生の名前を発見するにつけ、これはただの建築ツアーで終わらせてはならない、この機会に植田先生と、弘前市民の方々が建築について語らい合う場を一席設けてはどうだろうか、という私の身勝手な要望を「ときの忘れもの」の綿貫さんご夫妻、そして、植田先生ご本人があっさりご承諾されて、とんとん拍子に建築座談会が開催する運びとなったのです。今回弘前に来られた皆さま方、そして建築座談会にご出席された弘前市民の皆さま方にとっても大変幸運だったと言えるかも知れません。 そして、ようやく企画が実務面で動き出した頃は、すでに秋風の吹き始める晩夏8月末、ほんの2ヶ月程前の話です。その間、ツアーの案内人として、また、座談会の座長として、ご協力頂くことになっていた古跡昭彦さんが急逝され、リーダーを失った我々スタッフは企画の練り直しを迫られましたが、幸いにも様々な方々のご協力ご指導により、事なきを得ました。この場を借りて、今回の弘前建築ツアー、建築座談会にご協力ご指導頂いた方々にあつくお礼を申し上げます。 今回のツアーでは、前川國男の建物を中心に置き、「建築都市 弘前」の名に恥じぬよう、弘前に点在している江戸時代から明治、大正、そして近現代の建物をバランスよく皆さまにご覧頂き、弘前の町にある建物の多様性をお伝えできればと思った次第です。例えば、現代建築の鬼才こと毛綱モン太が手掛けた百貨店のオブジェ、前川國男の手による弘前市役所の屋上、市内吉野町にあるレンガ倉庫、越前屋漆商店など、実は弘前市民でさえ入ったことがない、またはその存在すら知らないという建物も含まれる結果となりました。観光ルートには全く入っていない建物も多く含まれております。 また、座談会では、地元の人間も機会がなければ入らない築78年の三上ビル3Fを会場とし、『弘前に「建築」はあるか』という植田先生がお付けになった座談会タイトルが多くの弘前市民を惹きつけ、結果的には約70名近くの来場者を数えた程です。座談会は尾立麗子さんの総合司会のもと始まり、植田先生がメインコメンテーターとなり、青木淳さんのお弟子さんで、青森県立美術館の設計に携わった優秀な若手の建築家、寶神尚史さんと村山徹さん、写真作家の柏瀬八峰さん、長野の宮大工伊熊夏樹さんと、弘前の建築を語る座談の場が、コメンテーター全員県外ご出身という異例の雰囲気となりました。 往々にして、地元の人間は地元のことに疎くなるのもで、「灯台下暗し」とは云い得て妙の表現でしょう。今回の座談会はまさに灯台の下に多くの光を当ててあげたい。 何気なしに通り過ぎてしまうような建物に新たな光を当ててあげたいという意図もありましたので、コメンテーター全員が県外ご出身という結果が、図らずしも我々とは全く違った角度から弘前の町に、そして弘前の建物に光を当て、我々が全く予想もしないコメントを聞ける結果となりました。座談会が盛り上がったのは言うまでもありません。また、何よりも弘前の建物に新たな光を投げかけて下さったのは弘前に来られた皆さま方でもあります。 実は、今回、皆さまを迎えるにあたって、私自身が地元弘前の町、建物を客観的に見つめなおす契機となりました。ツアーで回る建物を可能な限り下見したのですが、お恥ずかしながら地元に住んでいながら初めて入る、そして初めて見る建物も多かったのです。まさに驚きの連続であるとともに、「建築都市 弘前」の意味を改めて実感することとなりました。普段何気なく見ている建物、つまり建築が「建築」として見えてきたのです。このホームーページをご覧になっている方々も、そして今回弘前に来られた皆さまにおかれましても、それぞれがお住まいになっている町を今一度ごゆっくりご覧になってみてはいかがでしょうか。普段何気なく見過ごしている建物、そして町が急に何やら意味のある「建築」として見えてくるかも知れません。そして、まだ弘前にいらっしゃったことがない方は、ぜひ弘前に「建築」を探しに遊びに来て下さい。果たして「建築」、がこの町にはあるのでしょうか。そして、もし弘前にいらっしゃることがありましたら、その際はぜひとも当石場旅館をご贔屓にして頂ければ幸いです。 そろそろ冬の漬物を漬ける頃の弘前から。 2005.11.8石場旅館館主 石場創一郎 ギャラリー新人日記より、ツアー詳細 石場旅館 株式会社 前川建築設計事務所 「建築を訪ねて」バックナンバー |
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