ときの忘れもの ギャラリー 版画
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建築を訪ねて

建築都市・弘前を訪ねる
前川國男、洋風建築、温泉の弘前ツアー
2005年10月23日(日)〜25日(火)


江戸から、明治、大正、昭和、平成の各時代の名建築が残る青森県弘前市は日本有数の建築博物館です。
特に前川國男の処女作から晩年までの8件の建築作品があり、近代建築をリードした巨匠の足跡を辿ることができます。
植田実さんをナビゲーターに紅葉の弘前を訪ねました。
日程:
■10月23日(日)
13:00 弘前駅改札口集合(石場旅館に荷物を置く)
13:30〜17:00 車で弘前市内の建築ツアー
・木村産業研究所(1932)
・弘前市民会館(1964)
・市立博物館(1976)
・吉野レンガ倉庫(1925)
・旧第五十九銀行本店本館(1904)
・旧青森銀行津軽支店、現弘前市立百石町展示館
・旧・弘前無尽株式会社社屋(1927)現在「三上ビル」
・石場家住宅
17:00 夕食
18:00〜19:45 植田実先生を囲い座談会
『弘前に「建築」はあるか−明治洋風から現代までを読む』
コメンテーター 植田実、古跡昭彦、青木事務所から2名、村山徹(花田研出身)、寳神尚史(ほうじんひさし)、柏瀬八峰(名古屋工業大学若山滋研究室出身現在青森県階上町で写真作家として活躍で小川信治さんのお友達)
日時 18:00〜19:45(15分休憩)
入場料 前売り/1,000円
当日/1,500円
場所 青森県弘前市元寺町9三上ビル3F(一番町角)
TEL/0172-38-2988
20:00 石場旅館宿泊
住所/青森県弘前市元寺町55
TEL/0172-32-9118


001.
石場旅館にて集合写真

002.
弘前建築ツアー
右に写るバスで出発

003.
主催である石場創一郎さん挨拶

004.
今日のガイドさん
AXIS建築計画工房の
清水弘一さん

005.
前川國男処女作
「木村産業研究所(1932)」

006.
弓形をした張り出し窓

007.
陸屋根

008.
平面図

009.
弘前市民会館(1964)

010.
弘前市民会館

011.
ファサード

012.

013.
廊下

014.
吹き抜け

015.
ホール

016.
市立博物館(1976年)

017.
市立博物館

018.
弘前市民会館と市立博物館の結合?

019.
吉野レンガ倉庫

020.
吉野レンガ倉庫

021.
木のサッシュ

022.
現在、使用されていない空間

023.
寒々としたレンガ倉庫

024.
かなり広いスペース

025.
怖い階段

026.
鉄骨 梁

027.長い廊下

028.
中庭

029.
旧第五十九銀行
本店本館(1904)

030.
昭和47年重要文化財に指定

031.
銀行の形跡

032.
中は資料館なっている

033.
天井が高い室内

034.
階段

035.
天井の紙がゴージャス

036.

037.
壁面に使用されていた金唐革紙

038.
変わった窓ノブ?

039.
旧第五十九銀行本店本館ファサード

040.
旧青森銀行津軽支店、
現弘前市立百石町展示館

041.
階段の跡が残っている

042.
石場家住宅

043.
入母屋造り、鉄板葺き、
妻入りとなっている

044.
昭和48年重要文化財に指定

045.
「だいどころ」と呼ぶ板の間

046.
なんと風情があるのでしょう・・・

047.
「にわ」と呼ぶ土間のたたき

048.
酒屋さんを営んでいる

049.
旧・弘前無尽株式会社
社屋(1927年)「三上ビル」
設計者:大竹巽

050.
座談会の会場として3階を借りた

051.
座談会の様子

052.
植田先生、自己紹介

053.
コメンテーターの皆様

054.
65名の観客

055.
柳田冨美子さんにも
コメントを戴いた

056.
建築ツアー言いだしっぺ
綿貫不二夫

057.
会場の様子

058.
石場旅館

059.
迷子になりそうなくらい広い

060.
趣のある旅館

■10月23日(日)

08:00 朝食
09:30 石場旅館チェックアウト
10:00〜15:30 車で弘前市内の建築ツアー
・スペースデネガ(1983)
・中三デパート弘前店(1995)
・弘前市斎場(1983)
・弘前市役所(1958)
・旧藤田別邸洋館(1921)
・誓願寺山門
・越前屋漆商店店舗(1931)
・旧弘前偕行社
13:00 昼食処(蕎麦割烹)・「野の庵」(旧正栄楼、創業は江戸時代末期。弘前公園濠を望む老舗で、今は蕎麦割烹。小林秀雄の考えるヒント「花見」にも出てくる店)
16:00 弘前駅で解散


061.
2日目にガイドしてくれるのは
アラハバキ建築研究所の
一級建築士の今隆さん

062.
スペースデネガ



065.
終戦記念日などの祝日に
下北半島に車を走らせ
毎年同じ場所で拾った廃材で
彫刻作品を作るらしい・・・

066.
偶然、彫刻家岩井康頼さんに出くわす

067.
網毅曠建築事務所設計
(1995年)

068.
風水からデザインされたらしい

069.
太陽に向かって広がる不思議なもの

070.
植田実先生が車内でコメント

071.
前川國男作品、弘前市役所
(1958年)の屋上

072.
屋上に上がる

073.
当初、前川國男がレストランを
構想したという屋上

074.
弘前市役所での市民の方の
様子

075.
弘前市役所のファサード

076.
旧藤田別邸洋館(1921年)

077.
小音楽会等のためのホール
として使用
シャンデリアもカーペットも
板ガラスも当時のもの

078.
喫茶室でお茶しました

079.
素晴らしい造園

080.
誓願寺山門

081
.越前屋漆商店店舗(1931年) 柱時計

082.
階段の裏

083.
階段

084.
ディティールが非常に凝っています

085.
ラスト、旧弘前偕行社

《オプションツアー》
16:00 弘前から秋田の日景温泉へ移動
16:30 日景温泉宿泊
住所/秋田県大館市長走37
TEL/0186-51-2011
18:00 日景温泉で夕食、温泉
(泉質:塩化土類含有硫化水素食塩泉、効能:神経痛、慢性皮膚病、他)

■10月25日(火)
08:00 朝食
09:00 日景温泉チェックアウト
09:00〜13:30 岩手県立美術館、MORIOKA 第一画廊訪問
12:30 昼食処・「直利庵」
16:00 盛岡駅で解散


086.
宿泊先、秋田県の日景温泉

087.
ほんのり紅葉

088.
自然に囲まれた日景温泉

089.
岩手県立美術館のルオー展

090.
岩手県立美術館を後に・・・
柳田冨美子さんと
石田あん子さん

091.
MORIOKA第一画廊

092.
MORIOKA第一画廊に
隣接する喫茶店“舷”にて

093.
岩手銀行(明治44年)
設計者:辰野金吾

094.
「直利庵」に飾られているゆうこさんのコレクション

095.
「直利庵」の女将、ゆうこさん

096.
解散



皆さまこんにちは。そして何より、今回の弘前建築ツアー、建築座談会へご参加頂いた皆々さま、わざわざ弘前へおこし頂き、また当石場旅館にご宿泊頂き、まことにありがとうございました。
今回のツアー、座談会での至らない点、お見苦しい点など、多々あったかと思いますが、建築に関しては全くの素人である私が企画したもの、ご了承の程宜しくお願い申し上げます。
 さて、今回のツアーの話自体が持ち上がったのは、まだまだ余寒厳しい3月、弘前で開催された今和次郎展に併せて来弘された、画廊「ときの忘れもの」の綿貫さんご夫妻が「弘前は建築都市だ」と言われたのがそもそもの発端です。確かに弘前という町は、戦災に遭わず、江戸初期から、明治、大正、そして近現代の建物が狭いエリアに点在している町ではありますが、かと言って「建築都市」という表現は、私を含めて地元の人間には思いもよりませんでした。それからしばらくの間、ツアーのことを気にしつつも、私の怠慢で話しは頓挫し、幻の企画となるかと危ぶまれましたが、「ときの忘れもの」の若手新人スタッフ尾立麗子さんとのツアーに関する事務連絡が頻繁になって、結果的に私の尻に火をつけられる形となりました。
 実は、当初は建築ツアーだけを予定していたのですが、「ときの忘れもの」からツアー参加リストを見せてもらった際に、日本の建築界に多大な影響を与え続けている植田実先生の名前を発見するにつけ、これはただの建築ツアーで終わらせてはならない、この機会に植田先生と、弘前市民の方々が建築について語らい合う場を一席設けてはどうだろうか、という私の身勝手な要望を「ときの忘れもの」の綿貫さんご夫妻、そして、植田先生ご本人があっさりご承諾されて、とんとん拍子に建築座談会が開催する運びとなったのです。今回弘前に来られた皆さま方、そして建築座談会にご出席された弘前市民の皆さま方にとっても大変幸運だったと言えるかも知れません。
そして、ようやく企画が実務面で動き出した頃は、すでに秋風の吹き始める晩夏8月末、ほんの2ヶ月程前の話です。その間、ツアーの案内人として、また、座談会の座長として、ご協力頂くことになっていた古跡昭彦さんが急逝され、リーダーを失った我々スタッフは企画の練り直しを迫られましたが、幸いにも様々な方々のご協力ご指導により、事なきを得ました。この場を借りて、今回の弘前建築ツアー、建築座談会にご協力ご指導頂いた方々にあつくお礼を申し上げます。
今回のツアーでは、前川國男の建物を中心に置き、「建築都市 弘前」の名に恥じぬよう、弘前に点在している江戸時代から明治、大正、そして近現代の建物をバランスよく皆さまにご覧頂き、弘前の町にある建物の多様性をお伝えできればと思った次第です。例えば、現代建築の鬼才こと毛綱モン太が手掛けた百貨店のオブジェ、前川國男の手による弘前市役所の屋上、市内吉野町にあるレンガ倉庫、越前屋漆商店など、実は弘前市民でさえ入ったことがない、またはその存在すら知らないという建物も含まれる結果となりました。観光ルートには全く入っていない建物も多く含まれております。
また、座談会では、地元の人間も機会がなければ入らない築78年の三上ビル3Fを会場とし、『弘前に「建築」はあるか』という植田先生がお付けになった座談会タイトルが多くの弘前市民を惹きつけ、結果的には約70名近くの来場者を数えた程です。座談会は尾立麗子さんの総合司会のもと始まり、植田先生がメインコメンテーターとなり、青木淳さんのお弟子さんで、青森県立美術館の設計に携わった優秀な若手の建築家、寶神尚史さんと村山徹さん、写真作家の柏瀬八峰さん、長野の宮大工伊熊夏樹さんと、弘前の建築を語る座談の場が、コメンテーター全員県外ご出身という異例の雰囲気となりました。
往々にして、地元の人間は地元のことに疎くなるのもで、「灯台下暗し」とは云い得て妙の表現でしょう。今回の座談会はまさに灯台の下に多くの光を当ててあげたい。
何気なしに通り過ぎてしまうような建物に新たな光を当ててあげたいという意図もありましたので、コメンテーター全員が県外ご出身という結果が、図らずしも我々とは全く違った角度から弘前の町に、そして弘前の建物に光を当て、我々が全く予想もしないコメントを聞ける結果となりました。座談会が盛り上がったのは言うまでもありません。また、何よりも弘前の建物に新たな光を投げかけて下さったのは弘前に来られた皆さま方でもあります。
実は、今回、皆さまを迎えるにあたって、私自身が地元弘前の町、建物を客観的に見つめなおす契機となりました。ツアーで回る建物を可能な限り下見したのですが、お恥ずかしながら地元に住んでいながら初めて入る、そして初めて見る建物も多かったのです。まさに驚きの連続であるとともに、「建築都市 弘前」の意味を改めて実感することとなりました。普段何気なく見ている建物、つまり建築が「建築」として見えてきたのです。このホームーページをご覧になっている方々も、そして今回弘前に来られた皆さまにおかれましても、それぞれがお住まいになっている町を今一度ごゆっくりご覧になってみてはいかがでしょうか。普段何気なく見過ごしている建物、そして町が急に何やら意味のある「建築」として見えてくるかも知れません。そして、まだ弘前にいらっしゃったことがない方は、ぜひ弘前に「建築」を探しに遊びに来て下さい。果たして「建築」、がこの町にはあるのでしょうか。そして、もし弘前にいらっしゃることがありましたら、その際はぜひとも当石場旅館をご贔屓にして頂ければ幸いです。

そろそろ冬の漬物を漬ける頃の弘前から。
2005.11.8石場旅館館主 石場創一郎



ギャラリー新人日記より、ツアー詳細
石場旅館
株式会社 前川建築設計事務所

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