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建築を訪ねて

磯崎新・七つの美術空間−群馬県立近代美術館
2008年4月28日(月)
喜寿を迎えた建築家・磯崎新先生が国内外七つの場所で、七つの展覧会を企画していることは2月7日のブログでご案内しましたが、大分・アートプラザに続き二つ目の展覧会が群馬県立近代美術館で始まりました。
「磯崎新 七つの美術空間」
2008年4月26日[土]−6月22日[日]

1974年に磯崎新設計により竣工した群馬県立近代美術館が、33年ぶりに全面的な改修工事を行い、リニューアルオープン。


さわやかな好天に恵まれた4月25日、各地から磯崎ファンがかけつけ華やかなオープニングとなりました。私たちも磯崎新連刊画文集「百二十の見えない都市」のパトロンの皆さんたちと磯崎建築と同館所蔵作品の大群をじっくり、たっぷりと楽しんできました。式典には群馬県知事も出席。中国服を颯爽と着こなした磯崎先生は「30数年前はオイルショックの後で資材の調達も思うにまかせなかった。だから今回の工事はリニューアルというより(設計)本来の姿に戻した」のだ、当時どこにもなかった美術館建築におけるホワイトキューブのコンセプトは時代に先駆けたものであったという満々たる自負をこめて、例によって訥々とした語り口で挨拶されました。

展示全面積3205平米の全てを使った今回の記念展では一階展示室で「磯崎新 七つの美術空間」展を、二階の六展示室では「甦る美術館」展を開催。
一階の模型、ドローイング、版画、写真等がひとつひとつ生き生きと息づくような展示は、磯崎先生が自他を問わず展覧会プロデューサーとして天才であることを思い出させてくれます。


色鮮やかな磯崎新の版画作品は、現代版画センター時代に私がエディションしたもので、シルクスクリーンの刷りは全て石田了一さんです。

左から、磯崎シルクスクリーンの刷りを30年以上にわたり担当している石田了一さん夫妻、ときの忘れもの社長、「百二十の見えない都市」企画編集人・植田実さん


広大な前面の庭に面し、外光が降り注ぐ一階ギャラリー。
茶室ではお茶の接待も。そこに佇む人が美しく見える、誰もがヒーロー、ヒロインになれる空間。

二階は「甦る美術館」展。展示室2では、6m80cmのピカソのゲルニカ(タピスリー)など<西洋の近代美術>をオーソドックスに展示

二階現代美術棟の展示室3.4.5では、自然光の中で<現代の美術>を見せたり、19世紀のサロンを思わせる大胆な展示方法で<日本近代洋画>を展示

二階展示室7では、金大受「羅漢図」など重文3点を含む<戸方庵井上コレクション>が展示され、文化のパトロンとして大きな足跡を残した井上房一郎さんの遺影も飾られていました。井上さんは磯崎新を設計者に指名したこの美術館の生みの親のひとりです。

同級生交歓。磯崎新先生と荻原正三先生(工学院大学名誉教授)は東大建築学科の同級生。
カタログにサインする磯崎先生。

高崎駅前にある井上房一郎旧居(高崎哲学堂)にて。
遠く旭川や盛岡からかけつけてくれた「百二十の見えない都市」のパトロンの皆さんと。
磯崎展の後は高崎市美術館、井上邸、群馬音楽センターの三会場で開催されていた「アントニン&ノエミ・レーモンド展 建築と暮らしの手作りモダン」を見たのですが、そのご報告はまたの機会に。



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群馬県立近代美術館

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