■2009年03月17日(火)
根岸文子「FUUN YUUSHI(浮雲遊子)」
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| 「FUUN YUUSHI(浮雲遊子)」 2008年 板・アクリル 130.0×388.0cm
根岸文子さんが「VOCA展2009」に推薦されました。こちらは出展作品です。李白の詩から取った「FUUN YUUSHI(浮雲遊子)」というタイトルの130x388cmの大作で、4枚の板から成っています。制作する時は場所の制約から3枚しか並べることが出来ず、ずらしながらの制作だったそうですが、実際にはこの4枚はそれぞれ1枚ずつでも作品として成り立つようになっています。そして、4枚続きと言っても厳密に絵が連続していないというのが根岸さんらしいところです。 近年の作品と共通のモチーフで、抽象的風景画とも言うべきものです。今までと大きさは全く違うのに、実に自然に大きさに対応していて、絵の緊張感を保っています。
◆根岸文子 Fumiko NEGISHI(1970-) 1970年東京生まれ。1993年女子美術大学絵画科版画コース卒業後、単身スペインに渡り、スペイン美術大学の版画工房で学ぶ。スペイン国内版画展で新人賞、モハカ絵画奨学コース(スペイン)等を受ける。99,01,04年ときの忘れもので個展。02年エガン画廊(マドリッド)で個展、またマドリッド国際アートフェアに同画廊より出展、GENERACION 2002,2005グループ展に参加(カッハマドリッド)。06年ギャラリーすどうで二人展開催。
「鏡の向こうのもう一つの世界というか、存在するのに、気がつかない向こう側の様なものを、イメージに作品に取り組んでいます。今思うと、地中海文化に接する事が、極東文化圏の私には、もう一つの向こう側を探すきっかけになったような気がします。」と、根岸さんは言います。現在、油彩・版画の制作に打ち込み、ユーモアに溢れ、スペインの明るい風に吹かれるような作品を生み出しています。 | | |