■2011年05月10日(火)
若林奮「版画集『AIRS』 AIRS-7」
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| 若林奮 「版画集『AIRS』 AIRS-7」 1989年 銅版 イメージサイズ:42.5×30.0cm シートサイズ:65.0×47.0cm Ed.30 サインあり
彫刻家でもある若林奮は、版画においても、版そのものの素材と向き合い対話して制作しました。その様子が作品からもうかがえます。 彫刻家は、立体であること、素材がさまざまであることから、そのものを削る、盛る事で作品を制作します。当然、その作業には「方向」が重要になります。どういった方向でどのような強さで削るか。 この作品は銅版画ですが、斜線がみな違う方向を向いています。彫刻家である若林が、素材と向き合って制作していたさまが思い浮かびます。
◆若林奮 Isamu WAKABAYASHI(1936-2003) 1936年東京生まれ。59年東京芸術大学卒業。62年二科展で金賞。67年第2回現代日本彫刻展で受賞。80,86年ヴェネツィア・ビエンナーレに出品。87年東京国立近代美術館・京都国立近代美術館で[今日の作家 若林奮展]を開催。96年中原悌二郎賞受賞。99年多摩美術大学教授。鉄や銅、鉛などの素材を使い、深い自然観に基づく思索的な作品を制作した。2003年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。同年10月に永逝。 | | |