ときの忘れもの 今月のお勧め
■2006年03月25日(土)  お薦め作品〜磯辺行久「WORK '65-50-E」
grp0325161317.jpg 600×450 107K番号     0017-003
作家名    磯辺行久
作品名    「WORK '65-50-E」
制作年    1965年
技法      箪笥に着彩
作品サイズ   H100×97×42cm
サイン     裏にチョークでサインあり
作品の状態  蝶番など破損箇所多数あり


◆作品のワンポイント/60年代のモダンアートの熱気を知る者には懐かしい作品でしょう。瑛九門下の三羽烏といわれた磯辺行久、靉嘔、池田満寿夫の中で、磯辺といえばこの「箪笥」と「ワッペン」がトレードマークでしたが、この箪笥が並んだ様は圧巻でした。磯辺の代表的なモチーフですが、現在入手するのはまず困難な作品でしょう。逸品です。

◆作家の紹介/磯辺行久(いそべ ゆきひさ)は、1935年東京生まれ。1955年加藤正に誘われデモクラート美術家協会に参加、第5回デモクラート美術展に出品する。翌年には、タケミヤ画廊でのデモクラート5人展に出品。1959年東京藝術大学美術学部絵画科卒業。読売アンデパンダン展、東京国際版画ビエンナーレ展などに出品を続け、ワッペンを用いた特異な作風で注目を集める。1962年東京画廊で初のが個展。1963年サンパウロ・ビエンナーレに出品。1965年のイタリアでの個展を機に渡欧、その後ニューヨークに定住。この頃より建築や都市計画への興味が深まり、1971年ペンシルヴェニア大学大学院に入学、エコロジカル・プランニングを学ぶと、作品の制作から離れ、日本とアメリカでそれを実践した。1991年目黒区美術館で個展「目黒<名>画座」を開催。同年、美術家としての活動を再開し、今はその拠点をパリに置いている。

■2006年03月25日(土)  お薦め作品〜関根伸夫「ピラミッドの頂き」
grp0325161009.JPG 533×400 50K番号     0027-002
作家名    関根伸夫
作品名    「ピラミッドの頂き」
制作年    1982年
技法      ステンレス・彫刻
作品サイズ   H20×15×30cm
限定   30個
サイン     内側に白インキでサイン
作品の状態  良好。


◆作品のワンポイント/「位相−大地」によって60年代以降の日本美術に決定的な転回点をもたらした関根は、様々な素材を使って多くの立体作品を制作し、その後も美術界に影響を与えましたが、このピラミッドの形も、違った素材で繰り返し作られたモチーフのひとつです。シャープな峰の線に対する底辺の丸みを帯びた不安定な線が現代的な感覚を表現しています。

◆作家の紹介/関根伸夫(せきね のぶお)は、1942年埼玉県生まれ。1968年多摩美術大学大学院油画研究科修了。在学中、斎藤義重に影響を受ける。1968年須磨離宮公園で開催された第1回現代日本野外彫刻展での作品「位相−大地」は大きな反響を呼び、注目を集めた。また、この年「長岡現代美術館賞展」大賞を受賞。1970年、ヴェニス・国際ビエンナーレ出品を機にヨーロッパ滞在。1973年、環境美術研究所設立。
1978年ヨーロッパ3国巡回個展。1982年「関根伸夫全国展−版画と立体展」(現代版画センター企画)。1987年、位相絵画展。2002年、釜山彫刻プロジェクト。2003年には「〈環境美術〉なるもの―関根伸夫展―」(川越市立美術館)が開催された。現在、株式会社環境美術研究所代表。

■2006年03月02日(木)  お薦め作品〜細江英公「釧路湿原に舞う大野一雄」
grp0302143920.JPG 400×400 97K番号      0035-001
作家名    細江英公
作品名    「釧路湿原に舞う大野一雄」
制作年    1994年
技法      写真
作品サイズ  23.5×23cm
額装サイズ  52.2×41cm
サイン     マットに鉛筆サインあり
作品の状態  良好、額装

◆作家の紹介/細江英公(ほそえ えいこう)写真家。清里フォトアートミュージアム館長。1933年山形県生まれ。本名・敏廣。18歳のときに[富士フォトコンテスト学生の部]で最高賞を受賞し、写真家を志す。52年東京写真短期大学(現東京工芸大学)入学。デモクラート美術家協会の瑛九と出会い強い影響を受ける。54年卒業。56年小西六ギャラリーで初個展。63年三島由紀夫をモデルに撮った[薔薇刑]で評価を確立し、70年[鎌鼬(かまいたち)]で芸術選奨文部大臣賞受賞。

◆作品のワンポイント/[薔薇刑][鎌鼬][抱擁][おとこと女]などの写真集は今や稀覯本です。瑛九の周辺に集まった画家たちの中では最年少だった細江先生ですが、98年紫綬褒章、2003年には英国王立写真協会創立百五十周年記念特別賞を受賞するなど、国内外において高い評価を獲得しています。功なり名を遂げても一ケ所に安住することなく、時代の先端をカメラを通して見つめ、謙虚で若い才能を愛する姿勢は一貫しています。

■2006年03月02日(木)  お薦め作品〜『リアリズムのゆくえ 北郷悟の彫刻』展図録
grp0302143653.JPG 521×400 61K番号      B060224
作品名    『リアリズムのゆくえ 北郷悟の彫刻』展図録
刊行年    2004年
発 行 いわき市立美術館
作品サイズ  26.3×18.6cm、90頁
図 版     58点 うちカラー45点
テキスト    田口安男(いわき市立美術館館長)、加藤貞雄(茨城県近代美術館館長)、 佐々木吉晴(いわき市立美術館学芸課長)
作品の状態 良好

◆作品のワンポイント/舟越保武・佐藤忠良という具象彫刻の巨匠に学び、「自分のなかにあるかたちをずっと追い掛けて、自分のなかに存在する人間像を絞り出」した作品を制作。テラコッタによる現代の具象彫刻を先導する存在です。2001年ギャラリーせいほうと、ときの忘れものの2会場で新作展を同時開催した折に初めて銅版画を制作、版画掌誌第4号で特集しています。

◆作家の紹介/北郷悟(きたごう さとし)1953年福島県生まれ。77年東京造形大学彫刻科卒業。79年東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。83年奈良天理ビエンナーレで大賞。91年新潟大学助教授。96年文化庁在外研修(イタリア・ミラノ、ブレラアカデミア美術学校)。97年東京芸術大学助教授。80,82年新制作展で新作家賞。91,93,98年銀座ギャラリーせいほうで個展。2004年いわき市立美術館で回顧展開催。下記のURLもご覧下さい。
http://www.tokinowasuremono.com/artist-b10-kitagou/index.html

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