■2009年12月10日(木)
倉俣史朗デザイン「鏡」
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| 倉俣史朗 「鏡」 1983年 H80.0×W50.0×D5.5cm
磯崎新のポスト・モダン(モダニズム)ムーブメント最盛期の代表作「つくばセンタービル」(1983年)には、「筑波第一ホテル」が入り、客室の内装を倉俣史朗が担当しました。 倉俣史朗の市販されている書籍・資料は数少ないですが、比較的手に入りやすい作品集といえば、2000年に再版された展覧会カタログ「Shiro Kuramata 1934-1991」(1996年に原美術館で開催)です。この作品集を定本にして、「鏡」を素材にした作品を検索してみました。その結果「一点」のみ掲載(Pー176)されていただけで、他には掲載がありませんでした。この事からも筑波第一ホテルで制作された「鏡」が倉俣史朗の作品にとって重要な位置を占める事がよく分かります。
◆倉俣史朗 Shiro KURAMATA(1934-1991) 1960年代後半から最新の科学技術に可能性を見出し、革新的な作品を発表した世界的デザイナー。アクリル、グラス、アルミニウム、スチールメッシュを多用した作品が多い。 1934年、東京都生まれ。東京都立工芸高等学校木材科で学び、1953年から帝国器材に勤める。1953年から56年まで桑沢デザイン研究所リビングデザイン科で学び、1957年に三愛の宣伝課に就職、ウィンドウディスプレイなどのデザインを手掛ける。1965年クラマタデザイン事務所を設立。1967年、横尾忠則らとコラボレーションしたインテリアデザインなどで脚光を浴びる。このころから、彼が生涯にわたって好んだアクリル素材を用いて、日常の空間に無重力を作り出したような、透明で浮遊感のある作品を生み出していく。 1970年「Furniture in Irregular Forms」シリーズで世界に広く認知される。1972年毎日デザイン賞を受賞。1981年エットレ・ソットサス Jr.らによるイタリアンデザインの新しいムーブメントであるメンフィス(Menphis)の展示会に磯崎新、マイケル・グレイブスらと共に参加。1990年フランス文化省芸術文化勲章を受勲。 1991年、急性心不全のため死去。享年56歳。 | | |