■2010年02月20日(土)
マン・レイ「シュルレアリスム展」
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| マン・レイ 「シュルレアリスム展」 1936年(1987年プリント) ゼラチンシルバープリント 29.0×20.5cm 裏面にスタンプとピエール・ガスマンのサインあり
マン・レイの「シュルレアリスム展」です。7月から東京の国立新美術館、そのあと9月からは大阪の国立国際美術館で「マン・レイ展」が開催される予定で、またマン・レイ・ブームが来るのではないかと期待しておりますが、ときの忘れものでも9月に「瑛九とマン・レイ(仮題)」展を企画中です。 この作品は、1936年にパリのシャルル・ラットン画廊で開催された記念すべき初めての「シュルレアリスムのオブジェ展」の展示風景をマン・レイが撮影したものです。右側の壁にはマン・レイ自身の「リンゴとねじ釘」や「反射(1929年)」などの作品が展示されています。 シャルル・ラットン画廊は、中世美術やアフリカ美術、プリミティブ美術を主に扱っていましたが、当時の現代美術にも興味を持っており、この展覧会を開催しました。このときの出品作家は、マルセル・デュシャン、サルヴァドール・ダリ、ドラ・マール、メレット・オッペンハイム、ハンス・ベルメール、アンドレ・ブルトン、ルネ・マグリット、マルセル・ジャン、クロード・カウン、そしてマン・レイという錚々たる顔ぶれで、このあと、ロンドンやMOMAなどでも同様の展覧会が行われることになります。 なお、シャルル・ラットン画廊は、現在でもGalerie Ratton-Ladrièreとして、パリに店があります。 今日ご紹介した作品は、1981年に朝日新聞社から刊行された「マン・レイ写真集」にも所収(No.39)されていますが、このプリントは、1987年にピエール・ガスマンによってプリントされたもので、マン・レイのスタンプの他にガスマンの自筆サインもあります。
◆マン・レイ Man RAY(1890-1976) 1890年生まれ。アメリカの画家、彫刻家、写真家。ダダイストまたはシュルレアリストとして、多数のオブジェを制作したことでも知られる。レイヨグラフ、ソラリゼーションなど、さまざまな技法を駆使し、一方でストレートなポートレート(特に同時代の芸術家のポートレート)も得意とし、ファッション写真と呼べるような作品もあったりと、多種多様な写真作品群を残している。 | | |